近年、自然史系博物館では、利用者の自然史への探求心を育むきっかけをつくり博物館の機能を高めるため様々な普及事業や展示の工夫を行っています。
これらの自然史系博物館は、自然史資料から情報の面白さを引き出す方法を熟知した研究者と多彩な展示手法を熟知した展示専門家がそれぞれの専門性をいかしてより学習支援効果の高い展示表現を開発する必要があります。
上記のような考えのもと、独立行政法人国立科学博物館と株式会社乃村工藝社は、平成13年度にアンモナイトを素材にした学習支援効果の高い展示物の開発を試みました。
この報告書は、開発の経緯、意義、利用者に対する展示評価についてまとめたものです。
共同研究開発展示
独立行政法人国立科学博物館は、民間等外部機関との共同研究を進めています。この展示は、株式会社乃村工藝社との共同研究「科学系博物館における学習支援効果の高い展示物の開発と評価」を実施し、開発したものです。
開発のポイント
「アンモナイトは、生きものである」ということを理解しやすく伝えることを目的とし、次の4つの点をポイントとしました。
○アンモナイト化石から、アンモナイトが生きていた時の姿を復元しました。
○文字や図解による解説をなくし、見てわかるようにしました。
○化石の標本に直接さわってみることができるようにしました。
○一定期間展示し、アンケート等の調査をもとに評価をしたうえで改良しました。
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