北極星は真北にあって動かない星として、夜に方角を知る時の目印として昔からよく親しまれてきました。星を長い時間観察していると、東から上って西に沈んでいくようすを見ることができます。また、北極星の近くの星は、沈むことなく反時計回りに北極星のまわりを回っていることもわかります。北極星だけは回転の中心にあって動くことはありません。
このような星の動き(日周運動)は、地球が自転しているためにおこります。地球が1日1回まわっているために、地球の上にいる私たちからは、空の星の方が見かけ上動いて見えるのです。北極星は、たまたま地球の自転軸(地軸)をのばした先にある星です。このため真北にあって動かずに見えるのです。
北極星のまわりの星の動き
作図ソフト:StellaNavigator AstroArts / ASCII
カメラのシャッターを開け放しにして夜空に向けておくと、星の動きが線のようにのびて写ります。北極星を撮影すると、小さな円を描いて写ります。実は北極星もわずかに動いているのです。北極星と地軸の向きのずれは角度で1度もありません。しかし、北極星をいつも注意深く観察していた漁師さんの間では、そのわずかな動きは古くから知られていたことだそうです。
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