■ 化石芸術
+■古生代の生痕化石
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親指はどちら側?
(Wrong-sided Hands)
三畳紀(約2億4500万年前)
ドイツ、チューリンゲン産
200cm x 57cm


 

 イギリスの地質学者ライエル(1797〜1875年)は、この足跡はそれまで同じ地層から唯一見つかっていた両生類のステゴセファルスのものと考えました。しかし、この動物がいくら体をねじりながら歩いたとしても、“親指”が中心線より外側に向くことはなく、彼の説は支持されませんでした。ゼルゲルという古生物学者は、この足跡化石からそれをつくりだした動物の大きさ、重さ、歩き方などを解析しました。その結果、この足跡は爬虫類のもので、“親指”と考えられていた指跡は小指のものである、という仮説を提唱しました。その後、ゼルゲルの仮説に見事に合った爬虫類の骨格化石が見つかり、一件落着しました。
 この爬虫類は、洪水の後に天気が続き、程良い堅さになった泥の上を歩いたようです。


 


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