4. アオコ

淡水赤潮の多くは貧栄養湖で発生するのに対して、アオコは栄養分の豊富な富栄養湖沼で発生します。高温で発生する事が多く、本州では夏の終わりから秋にかけて発生します。北海道では夏に発生します。

アオコは、ガス胞を細胞内に持つ藍藻(シアノバクテリア)が原因となります。ガス胞によって水の表面に浮遊しているため、水の表面が粉をふったように見えるためアオコと呼ばれます。

霞ヶ浦アオコ

写真: 霞ヶ浦のアオコ(撮影/提供 国立環境研究所)

本州ではミクロキスティス(Microcystis属)が原因となることが多く、そのため、ミクロキスティス属の和名を「アオコ」とする人もいますが、混乱を生じさせるため、私達は、アオコは特定生物の和名ではなく、アオコ現象に限って用いるべきだと考えています。

Microcystis

写真(左右): ミクロキスティス(Microcystis属)

アオコは水表面を覆うため、水草などが生育できなくなります。また、多くの魚にとってアオコは良い餌で無いようで、水中が酸欠になりやすいこともあり、アオコが発生するとその場所から逃げてしまいます。また、発生した大量のアオコが打ち上げられると、腐って悪臭を放ち問題になります。

ミクロキスティス(Microcystis属)にはミクロキスティンとよぶ肝臓毒をもつものがあり、世界保健機関(WHO)では飲料水柱のミクロキスティン濃度のガイドラインを決めています。海外ではこの毒性のため、アオコの発生した湖沼では、魚を食べることはもちろん、カヌーやヨットなどのレジャーを禁止する事も行われています。

Microcystis

写真: South Norwood Lake(イギリス・クロイドン・ロンドン特別区)の警告表示

「警告 有毒藍藻発生のため、環境局より追加の指示があるまで魚釣り/撒き餌、ヨット等を禁止する。」

しかし、日本のミクロキスティスのミクロキスティンの含有量は高くないため、日本ではそのような制限はなされていません。また、外国では死亡事件も発生していますが、日本では人の健康被害は報告されていません。淡水湖沼の管理において、このアオコの制御は重要であるため、多くの研究が続けられています。

アオコを形成する藍藻を含む浮遊性藍藻の分類や生態については、下記の当館のホームページに詳しく紹介しています。

 

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1. 赤潮

2. 青潮

3. 淡水赤潮

4. アオコ

5. 青水

6. その他の着色現象

7. カビ臭

8. 付着藻類の異常増殖