2019-10-10

米国における恐竜絶滅層(K-Pg境界層)の調査


恐竜発掘の立ち会いと国立科学博物館でのK-Pg境界層展示

Sandy Siteへ向かう古生物学者達。(写真5:左)撮影:佐藤峰南博士(千葉工大)
Sandy Siteでの恐竜発掘の様子(写真6:右)

ノースダコタ州での現地調査は好天にも恵まれ、Mud ButtesとPyramid Butteと呼ばれる2地点でK-Pg境界層の記載および試料採取を行うことができました。ところが、最終日の前夜に局地的な大雨が降り、川が増水したため、もう1ヶ所調査を予定していた地点にアクセスすることができなくなりました。そこで、最終日はSandy Siteと呼ばれる恐竜の化石が多量に産出する場所へ調査に行きました(写真5)。現地ではTyler Lyson博士をはじめとする米国の古生物学者達の発掘作業に立ち会うことができました(写真6)。
Sandy Siteから掘り起こした恐竜の化石は当館の地球館地下2Fでも展示されていますので、ご覧ください。また、K-Pg境界層の展示については、地下1Fには米国コロラド州に存在するK-Pg境界層を含む地層、地下2Fにはデンマークから採取された地層も展示されていますので、こちらの展示も是非確認してみてください。

この総合研究については2020年度の最終年度に向け調査研究の成果をまとめ、「恐竜絶滅の原因」について、新たな提案をしたいと思います。

参考図書
Alvarez, L. W. et al. (1980) Science, 208, 1095–1108.
Schulte, P. et al. (2010) Science, 327, 1214–1218.
佐野貴司(2017)海に沈んだ大陸の謎,ブルーバックス,講談社,238p.
Sato, H. et al. (2013) Nature Communications, doi:10.1038/ncomms3455.

<執筆・監修>
国立科学博物館 地学研究部 鉱物科学研究グループ グループ長 佐野貴司



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