微細藻類のHABs

6. 青潮

青潮は直接的には大量発生した微細藻類による着色現象ではありませんが、プランクトンの大量発生が引き起こす下記のような現象です。

大量に発生したプランクトンが死んで底泥に堆積すると、その場で分解が進み大量の酸素を消費します。酸素がほとんどなくなってしまうと、プランクトンの死骸や泥に含まれていた硫黄分が還元され、硫化水素が発生します。温泉地で卵の腐ったような臭いがするときがありますが、それはこの硫化水素が原因です。硫化水素は水中の生き物にとって極めて猛毒です。この硫化水素を含む底泥付近の低酸素の水が、強い風などによってかき回され(攪乱)、水面近くに上がってくると、硫化水素が小さな硫黄の粒となり水が青白く濁ります。これを青潮と呼びます。

海上保安庁webより

写真: 東京湾 稲毛海岸付近の青潮(出典: 海上保安庁ウェブページ www1.kaiho.mlit.go.jp/KANKYO/SAISEI/photo/akaao.htm)

青潮は硫化水素を含むため猛毒で、魚などは逃げますが、アサリなどの二枚貝の大量死を引き起こします。東京湾や三河湾での発生が有名です。

対馬暖流を青潮と呼ぶ場合もありますが、これは、上記した青潮とは関係ありません。

 

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