微細藻類のHABs

3. 白潮

2020年5月に相模湾で海面がコバルトブルーに見える事象が発生しました。相模湾では25年ぶりとされ日本全体でも珍しい事象です。これは白潮と呼ばれ、千分の数mmぐらいのハプト藻類が大量発生した時に見られる現象です。

2020年5月に相模湾で発生した白潮

写真: 2020年5月に相模湾で発生した白潮

ハプト藻類は石灰質の円石とよばれるものを細胞の周りに持っています。大量に増殖すると、海水にチョークの粉を流したようになり、曇っていると海水がねずみ色に見えますが、晴れると光をよく反射するので南の海のようにコバルトブルーに見えます。南の海で海面がコバルトブルーに見えるのは、石灰質のサンゴの死骸からできている砂が光をよく反射するためと考えられています。ハプト藻類は小形の鞭毛藻類や鞭毛虫類などの良い餌となると考えられ、有害有毒になることもなく、社会的な問題になることはありません。

ハプト藻(円石藻)

写真: ハプト藻(円石藻)

(左)光学顕微鏡写真 (右)電子顕微鏡写真

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