2014-01-22

「小笠原弧の岩石・鉱物」〜「魚眼石」の標本を採集


小笠原諸島の成り立ち

図2 海底に溶岩が流れ出してできた枕状溶岩。上:溶岩流に垂直な断面(父島小港海岸)、下:溶岩流に平行な断面(ひょうたん島)


 伊豆諸島から南へと続く小笠原諸島は、距離1000km以上も連なる「火山弧」です。火山弧とは、火山が弓なりに連続して並んだ地形のことです。プレートが別のプレートの下に沈み込んで行くと、ある深さでマグマが発生して火山となるため、海溝から一定距離はなれた場所に火山弧ができます。例えば、北海道から沖縄へと連なる日本列島は、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込むことで形成された火山弧です。一方、小笠原諸島は、海洋プレート(太平洋プレート)が海洋プレート(フィリピン海プレート)の下へ沈み込むことによって形成された、特殊な場所です。沈み込んでいる太平洋プレートの年代は2億年と、地球上で最も古いプレートです。この火山弧は生成後一度も大陸に近づいたことがないため、火山島に生息する動植物は日本本土とは全く異なり、特殊な生態系を保っています。

 小笠原諸島は、父島列島、母島列島、聟島列島からなる小笠原群島と、硫黄列島やその他、孤立した島々からなり、これまでに父島列島と母島本島の調査を行いました。現在、一般住民が居住しているのは父島と母島だけですので、兄島や弟島などの無人島の調査では、小型の漁船をチャーターし、観察ポイントの最寄りの海岸に渡してもらいました。桟橋などありませんので、船から浜辺に飛び降りるか、逆に水深の深い場所を探して、岩にギリギリまで船を近づけて飛び移るのですが、波が荒いと思い通りに上陸できません。上陸よりも更に大変なのは帰りの乗船時で、採取した石のサンプルでズッシリ重くなったリュックを担いで、波に揺れる船に飛び移るので、毎回、一苦労でした。