2014-01-22

「小笠原弧の岩石・鉱物」〜「魚眼石」の標本を採集


小笠原の石を見てみよう

図4 兄島で採取した魚眼石資料の展示


 本プロジェクト研究の調査で採取した資料は、現在、分析・登録作業中ですが、その中でも特に大型の資料の一つ、「魚眼石」の標本を地球館地下3階で公開中です。これは、無人岩の空隙中に、魚眼石の結晶が密生した標本で、海岸沿いの崖で発見したときには、既に空隙が風雨に晒された状態でした。魚眼石は白色から無色透明、劈開(特定の面に沿って割れやすい性質)が一方向に完全です。魚眼石の学名「apophyllite」は、加熱すると劈開に沿って葉片状にはがれる様子から、ギリシャ語のapo(away;離れて)とphyllos(leaf;葉)に因みます。和名の「魚眼石」は、劈開面の独特の光沢から名付けられました。

 単斜頑火輝石の大きな斑晶を含む無人岩は、日本館3階南翼「日本列島の地質」に、常設展示されています。また、父島の初寝浦(はつねうら)海岸などでは、無人岩中に数cm大の輝沸石が産出する事が昭和初期から知られており、その標本は、日本館3階「日本の鉱物」のコーナーに常設展示されています。是非、間近で実物をじっくり観察してみましょう。


<執筆・監修>
国立科学博物館 地学研究部 鉱物科学研究グループ 研究員 門馬綱一