2024-03-14

ハーバリウムと植物標本

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※この記事は以下のページで構成されています。ご覧ください。
(1)植物標本−その意義と優れた性質−
(2)ハーバリウム(Herbarium)の役割
(3)牧野富太郎と標本
(4)新種とタイプ

(1)植物標本−その意義と優れた性質−

(左上)インド産ショウガ科Hedychium gardnerianumの標本。ヒマラヤ植物の研究で有名な原 寛 博士によって採集され、当館の筑波実験植物園で系統保存している株から標本にしたもの。(右上)1979年に現在の江東区有明4丁目で採集されたヨーロッパ原産の帰化種ノラニンジンの標本。当時ここにはノラニンジンの大群落があり、建造物が建設される前の一時代の都心の埋立地のフロラを示す記録である。現在はコンテナ置場となり見ることはできない。(左下・右下)お湯で煮て復元させたサクラ属の花の標本。

昨年春から秋にかけて放送されたNHK連続テレビ小説『らんまん』(2023年前期・長田育恵作)は、日本の植物学の黎明期に活躍した植物分類学者・牧野富太郎をモデルにした主人公 槙野萬太郎が、大好きな植物の研究と知識の普及に人生をかけたその生き様を描いたものでした。
そのドラマで一般の方々にも一躍知られるようになったのが植物標本です。平面化して乾燥させ台紙に貼られた標本は、専門的には「腊葉標本(さくようひょうほん)」といいます。標本は、そのときその生物がそこに生きていたという科学的な証拠です。分類研究は主にこの標本に基づいて行われます。しかし、標本は分類学だけではなくあらゆる研究分野の証拠資料でもあります。例えば、ヤマユリから染色体を観察したといっても、調べた植物の標本を残さない限り、後にそれが本当にヤマユリだったのか、検証しようがないからです。
また、年代を超えて様々な場所で採集された標本の蓄積からは、その植物の分布や地域変異、フロラ(植物相)の変遷も知ることができます。腊葉標本は重ねておけるため収納性も抜群で、乾燥している花や果実はお湯で煮ると柔らかく元の形に戻り、内部の形態を詳しく調べることもできます。

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(2)ハーバリウム(Herbarium)の役割
(3)牧野富太郎と標本
(4)新種とタイプ