2017-03-29

珍奇なツリフネソウをミャンマーで発見!


ミャンマーの生物インベントリー開始!

左上:現役で活躍する昭和38年式日野TH型ボンネットトラック。生物多様性の研究と同じく時が止まってしまったような風景だ。 右:野外で植物のデータを取りながら標本を作製する。 左下:特注した軽量アルミ板でできた標本乾燥フレームを現地に運び、ベースキャンプに設置する。下にケロシンストーブを入れてその熱で乾燥させる。


国立科学博物館では昨年ミャンマー天然資源・環境保全省の林業局と国際共同研究の協定を締結し、同国の調査が十分でない地域での植物、菌類、地衣類、動物のインベントリー調査を開始しました。2016年は、これまで入域が制限されていた半島南部のメイ、タニンタリーを中心にして調査を行いました。少し調査しただけでも、これまで記録がなかった種類や新種ではないかと考えられるものがすでに複数見つかっています。

一方で、ミャンマーはインド・ビルマホットスポットとも呼ばれ、生物多様性が非常に高い地域でありながら、環境の劣化が進んで来ている地域でもあります。そのため一刻も早い保護政策と未踏査地域での調査が必須となっています。総合研究でこれから調査が進むに連れて、今回のツリフネソウのような珍奇な生物がさらに発見されることが期待されます。

<執筆・監修>
 国立科学博物館 植物研究部 陸上植物研究グループ 研究主幹 田中伸幸