2012-02-13

日本にはいったい菌類が何種くらいいるのでしょうか?


菌類全体の現存種数の推定

 既知の菌類の種数は9万7千種とされていますが、総種数については推定の域を出ません。1991年にHawksworthは、菌類の多くが植物基質に依存することに注目し、そして、図に示すような計算から菌類の総現存種数を150万程度と推定しました。しかし、このような算出の仕方には賛否両論があり、その後も全菌類の種数については、多くの研究者達がチャレンジしていますが、50万から990万という説まで幅があります。

実際、1991年のHawksworthの見積もりの不備は次のように指摘されています。
@ 植物の推定種数は27万種としているが、これは控えめな数値である。
A 植物以外に菌類と関係をもつ重要な生物である昆虫と菌類の関係についての配慮が十分ではない。
B 植物とは独立して生活する菌類(土壌菌など)については検討されていない。
C 温帯よりも熱帯のほうが植物あたりの菌類数は増えると考えられるが、これについても十分検討されていない。実際、植物:菌類の比率の妥当性についても検討がなされ、熱帯のヤシを基質とした場合、1:33 ほどの値が得られるという報告もあり(1997年Fröhlich and Hyde)、見積もりは大幅に修正しなくてはならない可能性もある。

まだまだ検討する課題が多そうです。

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日本産種数の推定