2011-02-01

300年ぶりに霧島新燃岳が噴火!〜日本の火山の不思議

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300年ぶりに霧島新燃岳が噴火!
火山噴火の用語解説
日本の火山の現状
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日本の火山の現状

日本には108もの火山が存在し、毎年複数の場所で噴火が起こっています。しかしマスコミに大きく取り上げられた火山噴火は、2000年の有珠山噴火と三宅島噴火以降、ほぼ皆無でした。そこで以下では現在活動している活火山の一部を紹介します。

・桜島
20世紀以降、日本で最も多量にマグマを噴出した火山活動は1914年の桜島の大正噴火です。この噴火により流出した大量(1.5立方km)の溶岩流が海を埋め立て、桜島は大隅半島と陸続きとなりました。桜島はこの後も断続的に噴火を繰り返している最も活動的な火山です。島内には最高峰である北岳山頂火口をはじめとして複数の噴火口が存在し、中でも南岳山頂火口からは現在も活発にマグマが放出されています。1990年代から比較的噴火の回数が減りましたが、2006年から活動が活発化しており、鹿児島県や火山研究機関は警戒を呼び掛けています。

・阿蘇
阿蘇は世界中で最も巨大な火山の1つです。巨大なカルデラ(東西約18km・南北約24kmの楕円形の窪地)を持つことから「カルデラ火山」と呼ばれています。このカルデラは約30万年前から9万年前までの4回の大噴火により形成されました。大噴火の際に放出されたマグマは火砕流となって火山の四方八方に広がりました。火山噴出物はカルデラの外の台地を作るだけでなく、谷沿いに九州の東、西、北の海岸に達し、一部は海を越えて天草や山口県の秋吉台にまで分布しています。カルデラの形成後は中央火口丘群での噴火活動が活発に起こっており、2000年以降も中岳で毎年のように噴火を繰り返しています。中岳は活動火口の近くまで一般客が接近できる世界でも数少ない場所の1つであるため、火山活動を間近に見学できる貴重な場所と言えるでしょう(図5)。

・浅間山:(図6)
現在、関東地方(伊豆諸島を除く)で最も噴火を多く繰り返している火山は浅間山でしょう。1783年の大噴火の際にはマグマが火砕流や溶岩流として放出されるとともに大量の土石流が発生し、吾妻川や利根川沿いに大きな被害が及んだと記録されています。今世紀に入っても2004年と2009年に爆発的噴火を行い、東京などの関東地域に火山灰を堆積させました。

・富士山:(図7)
上記の活火山とは異なり、現在富士山は噴火活動を行っていません。富士山の最近の活動は1707年(宝永4年)に約16日間続いた宝永噴火です。この噴火を最後として富士山は長い眠りに入っていますが、今世紀に入って富士山噴火が注目をあびました。これは2000-2001年に地下のマグマや火山ガスの動きと関連していると思われる「低周波地震」が多発し、富士山が活火山であることが社会に再認識されたからです。現在の霧島新燃岳の噴火では多量の火山灰が宮崎県内に降下していますが、宝永噴火のような活動が起これば、日本で最も人口が集中している関東地域でも同様のことが起こります。従って富士山の火山活動についても注目しておくことは重要です。



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