2011-02-01

300年ぶりに霧島新燃岳が噴火!〜日本の火山の不思議

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300年ぶりに霧島新燃岳が噴火!
火山噴火の用語解説
日本の火山の現状
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火山噴火の用語解説

火山噴火が起こるとテレビや新聞で様々な火山用語が出てきます。火山噴火の話題が多くなればなるほどアナウンサーや新聞記者達はこれら用語を頻繁に使用することになります。しかし、「私には意味が分からない」という方もいるのではないでしょうか?また、火山用語には似たものがいくつか存在しますが、用語が違うとその意味が異なることもあります。そこでここではテレビや新聞で良く出てくる火山噴火の用語を解説します。

・火山性地震:
火山の下で発生する小さな地震です。阪神大震災を引き起こしたような大地震は地殻に断層ができることにより発生しますが、火山性地震はマグマなどの移動の際に地殻内に小さな割れ目をつくるため発生すると考えられています。大噴火が起きているときは、火山性地震は断続的に発生しています。

・火山性微動:
火山の下で起こる特有の振動です。揺れが長く継続することから(数十秒から数分以上続き、数日間に及ぶ場合もある)、火山性地震とは区別されています。 噴火に先行することも多いため、噴火予知の立場からは重要です。

・水蒸気爆発:
地下水や火口湖などの水がマグマによって熱せられ、沸騰して地表へ噴出する噴火です。マグマは噴出しないため、以下のマグマ水蒸気爆発とは区別されます。

・マグマ水蒸気爆発:
水蒸気と共にマグマが噴出する噴火です。マグマ本体が地表へ噴出するため、水蒸気爆発よりも大規模に噴火することが多いです。

・マグマ噴火:
火口が開きマグマが地表へ放出される現象です。空中へ放出されたマグマが周囲の空気を暖めて膨張させるため、火山灰が成層圏(上空10km以上)に達することもあります。

・火砕流:
数百度Cを超える火山ガスと熱い火山灰の混合物が火山体を駆け下る現象です。マグマ噴火により空中へ放出された火山灰の塊が熱いうちに火山体へ落下して発生したり、熱い溶岩ドームが崩壊することにより発生したりします。

・ベースサージ(火砕サージ):
火山ガス、水蒸気、熱い火山灰等の混合物が高速で火山体を駆け下る現象です。火砕流よりも高速(時速100km以上)の乱流であり、これが積もると波状の堆積層となります。マグマが地下水や湖の水に接して爆発的に発生することが多いです。

・土石流:
斜面や谷に溜まった多量の火山灰などが雨や川の水によって一気に押し流される現象です。

・噴石(図3):
火山噴火により吹き飛んでくる岩石のかたまりです。「人間や家屋にぶつかった際に大きな被害がでる岩石」という意味の防災用語であり、元来は科学用語ではありません。同様の科学用語には、火山岩塊「直径>64mmの火山噴出物」、火山礫「直径2〜64mmの火山噴出物」、火山弾「紡錘状、パン皮状などの特定の構造をもつ火山噴出物」、軽石「多孔質な火山噴出物」などがあります。

・溶岩ドーム(図4):
地表に出た溶岩が流出することなくその場に盛り上がった地形です。古来は「溶岩円頂丘」と呼ばれていましたが、1990年代前半に長崎県の雲仙平成新山が形成された際、中田節也博士(東大教授:当時は九大所属)が「溶岩ドーム」という用語を使用したことにより、この新用語が定着しました。


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