2011-11-07

ホトトギスの托卵に対するウグイスの対抗手段‐リスクの変化に対応して防衛行動を調節している!


ホトトギスの托卵に対するウグイスの対抗手段‐リスクの変化に対応して防衛行動を調節している!

 ホトトギスとウグイス。実物を見たことが無くても、少なくとも名前を知らない人はいない鳥でしょう。特にウグイスは、その『ホーホケキョ』という美しい鳴き声は知られていますね。

 国立科学博物館動物研究部の濱尾章二研究主幹は、伊豆諸島の三宅島で実験をおこなうことによって、ホトトギスが托卵(たくらん)を行うことにたいしての、ウグイスがどのように対抗するかについて調査しました。その結果、ウグイスはリスクの変化に対応して、防衛行動を調整していることが明らかとなりました。

 この内容は、論文「Seasonal increase in intensity of nest defence against little cuckoos by Japanese bush warblers」(托卵鳥ホトトギスに対するウグイスの巣防衛行動に見られる季節的調節)として、2011年8月12日付けのAnimal Behaviour(英国・米国の動物行動学会合同学術雑誌・電子版)に発表(掲載)されました。

 今回のホットニュースでは、今回の実験で明らかになったウグイスの行動について紹介しながら、鳥の行動生態学の研究の様子を紹介したいと思います。


※注「これらの鳥類においては、学術研究として特に許可を得て捕獲しています。また、これらの捕獲個体に異状は生じておりません。」