2008-05-01

速報:上野動物園最後のパンダ,リンリン死亡 (協力:動物研究部 川田伸一郎)


4月30日,リンリン死亡

 4月30日午前2時ごろ,上野動物園のジャイアントパンダ(愛称リンリン,オス,22歳7ヶ月)が死亡しました。
 上野動物園の発表によれば,リンリンは人間でいえば70歳と高齢で,昨年の夏ごろから身体に水がたまってむくむなど,心臓や腎臓など循環器系の不調が疑われるようになっていました。特に今年に入ってからは屋外の運動場へ出るのを嫌がるなど活動も鈍くなっており,なるべくストレスを与えないよう,寝室と展示室とを自由に行き来できるようにしていましたが,来園者からは見ることのできない寝室から出て来ないことも増えていました。4月に入って食欲も低下したため, 4月29日には公開を中止し,治療に専念するとの報道がされたばかりでした。病理解剖の結果,死因は慢性的な心不全でした。

 日本では上野動物園のほかに,兵庫県神戸市立王子動物園にオス・メス各1頭,和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドにオス・メス各3頭の計8頭のジャイアントパンダが飼育されています。しかしこれらの8頭はいずれも中国から貸与されている個体であり,リンリンは日本が所有権を持つ唯一のジャイアントパンダでした。

 リンリンの遺体は研究のため国立科学博物館に寄贈され,剥製として残されることが決まっています。



より詳しく知りたい方のために
東京ズーネット