地学研究部

 地学研究部は、地球の生い立ちを理解するための資料を研究対象にしています。それらには、46億年の歴史をもつ地球の構成物質として、地球表層部の地殻をつくっている岩石、さまざまな鉱物、地球内部のマントル物質があり、生命の誕生からおよそ30億年にわたる生物の変遷史の記録である多種多様な化石があります。これらの資料について、3研究グループが分担して調査・研究するとともに、収集された資料のデータベース化を行い、標本の研究・教育・展示への活用をはかっています。
 その他、他研究部と横断的に取り組んでいる総合研究や特定のテーマに焦点をあてた重点研究をおこなっています。
詳しくは、総合研究をご覧ください。

グループ構成
鉱物科学研究グループ

 地殻を構成する岩石の成因や地質体の形成過程、岩石を構成する鉱物の化学組成、結晶構造、生成過程の研究を行っています。
 現スタッフは、砕屑岩構成鉱物の化学組成や年代データによる後背地の推定、花崗岩・変成岩の年代データによる日本列島の形成過程、火山岩の化学分析や高温溶融実験、レアメタルを含む金属鉱物およびそれの地球表層部における分解と二次生成物の研究、ペグマタイト産レア・アース鉱物の化学組成と結晶構造解析などの研究を行っています。


掘削船ジョイデス・リゾリューションの
船上での議論(東太平洋中央海嶺)

生命進化史研究グループ


展示中の恐竜アパトサウルスの実物骨格を解体して研究

古生物の系統分類、進化、古生物地理、古生態などの研究を行っています。現スタッフは、ユーラシア大陸東部や南米の古植物地理と植生変遷、古第三紀の陸生哺乳類と新第三紀の小型哺乳類の系統進化や古生物地理、東アジアの中生代爬虫類の進化、爬虫類・哺乳類の系統進化と水生適応過程における行動様式や感覚機能の進化などを研究テーマにしています。

環境変動史研究グループ

地質時代における地球環境変動と生態系の進化を研究しています。
 現スタッフは、太平洋や環太平洋の珪藻や渦鞭毛藻など微化石を用いた新生代海洋・湖沼環境の復元、新生代貝類による東南アジア熱帯島嶼における種多様性の起源、頭足類を対象にした極東ロシアの中生界層序と生物多様性変遷史などの研究を行っています


極東ロシア・沿海州での地質調査


採集された三畳紀のアンモナイト

地学研究部の標本

調査・研究や寄贈によって収集された約12.5万点の岩石・鉱物・化石標本が地学研究部に保管され、研究・展示・教育に活用されています。また、地学研究部には、国際深海掘削計画で採取された微化石標本の共同利用センター(微古生物標本・資料センター: http://iodp.tamu.edu/curation/mrc.html)が置かれ、2万点の微化石標本が研究に利用されています。

桜井欽一コレクションの鉱物(左:石英、中央:原田石、右:ばら輝石)


●当館の主な所蔵標本