地学研究部

鉱物標本

 当館にはほとんどの日本産鉱物種が登録標本として保管されており、それは約3万数千点にのぼり、さらに約2万点が追加登録されつつあります。世界で記載報告されているおよそ4000種類の鉱物のうち、約7割が収集されており、毎年発見されている40〜50種の新鉱物についても常時収集に努めています。鉱物資料については、X線粉末回折、偏光顕微鏡観察、反射顕微鏡観察、走査電子顕微鏡観察、後方散乱電子像観察、エネルギー分散型分析、波長分散型分析(マイクロプローブ)による検討、さらに結晶構造解析などが必要に応じて行なわれ、鉱物種が同定されます。標本化された資料については、英名、理想化学式、和名、晶系などが記載され、将来の研究素材として登録保管されます。日本産の全鉱物種については、1989年に『岩石標本カタログ』を発行しましたが、それでは日本産新鉱物や準希産鉱物がわかるようにし、最初に発表された文献も付記してあります。当館の所蔵登録標本は、量が極めて少ないものを除いて、学術研究用であれば一部を貸し出すことが可能です。
『岩石標本カタログ』(国立科学博物館 発行)は、分館図書室でもご覧いただけます。

日本式双晶をなす石英(山梨県乙女鉱山)
日本式双晶をなす石英
(山梨県乙女鉱山)

輝安鉱(愛媛県市ノ川鉱山)
輝安鉱 (愛媛県市ノ川鉱山)

手稲石(北海道手稲鉱山)
手稲石 (北海道手稲鉱山)