地学研究部

古植物コレクション

 古植物標本(NSM-PP)は、登録標本約11,000点を含む約24,000点規模のコレクションです。 これらには130篇の研究論文に使われた、385点のタイプ(正基準)標本と多数の研究標本が含まれています。おもな内容は、北海道大学名誉教授の棚井敏雅博士による日本の新生代植物(約2,200点)、東京学芸大学名誉教授の木村達明博士と共同研究者による日本の中生代植物(約1,500点)、元当館地学研究部長の浅間一男博士と東北大学教授であった故今野円蔵博士らによる東南アジアおよび中国の古生代植物(約2,000点)のほか、金沢大学名誉教授の松尾秀邦博士、故遠藤誠道博士、当館職員らによる新生代標本です。 他に立教大学教授であった故石島 渉博士、東洋大学教授の故中村万次郎博士の石灰藻化石などもふくみます。これらは日本の代表的な古植物コレクションで、国内だけでなく国外からの照会も多く、古植物の分類学的、系統学的、および古地理学的研究に繰り返し利用されています。日本の中生代および新生代の陸上植物化石は、各地質時代から広く産出するので、それらは当館の古植物コレクションの中心的な収集対象です。この方針は今後とも継続され、その結果蓄積される標本類は中緯度を代表する比較資料として国際的に比較研究に貢献します。

 また、最近の海外調査で収集された、南米パタゴニアやサハリンの白亜紀〜新生代植物化石も、当館の特徴あるコレクションになっています。

中新世阿仁合型植物群のハンノキのなかま(左)とアンチポフブナ(右)
阿仁合型植物群のハンノキのなかま

中新世阿仁合型植物群のハンノキのなかま(左)とアンチポフブナ(右)
アンチポフブナ

 

中新世台島型植物群のコンプトニア
中新世台島型植物群のコンプトニア

中新世台島型植物群の代表的化石フウ
中新世台島型植物群の代表的化石フウ