こどもたちのための

ノムラホイホイ


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カブトムシ採集に来た子供と父親



こどもたちはカブトムシがだいすき

 夏になるとこどもたちはカブトムシを探して野山を歩き回ります。こどもたちはカブトムシがだいすきです。カブトムシはこどもたちの最良の友達といってもいいのではないでしょうか。カブトムシは針で刺したりきばでかみついたりしません。きれい好きなので、ばい菌をまきちらすこともありません。安全この上ない友達です。
 そしてカブトムシのオスには立派ないかめしいツノがあります。カブトムシの体は子供がいじくったくらいでは容易にこわれないほど頑丈にできています。セミやスズムシのようにうるさく鳴いたりもしません。どんなにひどいことをしても泣き声一つあげません。こんなすばらしい友達が他にいるでしょうか。
 カブトムシがすごいのは、そのように人間に何一つ悪さをしない、おとなしい友達なのに、それでいて野山にくらす野生動物であるということです。ペットというのはしばしば人間が手を加えて、犬猫のように何百年も飼いならした結果、今のように従順になっているのですが、カブトムシにはそのような家畜のような部分は1%もありません。100%野生動物です。これはすごいことです。




カブトムシを手にしたこどもたち



カブトムシはどこにいるのか?

 カブトムシはまだまだ東京の郊外でもふつうにみつかるありふれた生き物です。しかし実際にさがそうとするとなかなかみつかりません。その一番の理由は、カブトムシが夜行性で、昼間はあまり飛び回ったり歩き回ったりしないからです。
 カブトムシは昼間はクヌギ林の中の柔らかい土の中にもぐっていたりして、なかなか外には出てきません。だから昼間にカブトムシを探すのは大変難しいのです。ただし、カブトムシはクヌギの樹液が大好きですから、クヌギ林の中で樹液が出ているところがあると、昼間でも見つかることがあります。
 カブトムシは、夜になると活発に飛び回ったり、歩き回ったりして、樹液や甘い果実のある場所を探します。クヌギの樹液は一日中出ていますから、夜になってから、樹液に集まるカブトムシも多くいます。

 クヌギがあまり生えていないところでは、クヌギの代わりにミカンやコナラの樹液に集まることもあります。モモやブドウの落ちた果実に集まることもあります。
 東京近辺でもあまり山の高いところにはカブトムシはいません。海岸近く(標高0m)から標高500mくらいまではカブトムシが多くいるエリアです。それより高い、標高500〜1,000mではカブトムシは少なく、ミヤマクワガタやアカアシクワガタが見られます。それより高い地域では、カブトムシやクワガタはあまり多く見られません。
 てっとり早くいえば、東京近辺ではクヌギがたくさん生えているところに、カブトムシも多く見られます。カブトムシの大敵はカラスです。カラスの多い東京都心近くではカブトムシはあまり生活できません。




クヌギの樹液に来たカブトムシ♂




東京郊外に見られるクヌギ林のクヌギ



ノムラホイホイでカブトムシをとろう

 むかしの子供たち、つまり今の大人は、みのまわりにたくさん自然があって、カブトムシなどはいくらでもいたので、そんなに山奥に入らなくてもカブトムシをたくさん見つけることができました。それにむかしの子供たちは、多少危ないことをしてもそんなにしかられたりしなかったものです。
 でも今の子供たちはちょっと状況が違います。街中にすんでいると、カブトムシがとれそうなところまでは、電車やバス、自転車で出かけなければ行けません。また、子供だけで出歩くのは、特に夜中は危険です。だから今の子供たちは、なるべく危険をさけて、それでもなお安全に十分注意しないと虫をとりに行くことさえできません。
 そんなときに大変役に立つのがノムラホイホイです。ノムラホイホイだと、昼間にかけて、昼間に回収すればいいので、夜中に出歩く必要がありません。カブトムシのいそうな場所があれば、やぶの中へ入っていかなくても、道のそばから採集ができます。

 ノムラホイホイでカブトムシをとるのは簡単です。まずスーパーでバナナを買ってきます。茶色いしみが出た、少し古くなったもので十分です。バナナの皮をむいて、皮も身もボトルの中へ入れます。1本のボトルにバナナ1本で十分です。
 これを、カブトムシがいそうな場所へもって行き、立ち木や木の枝にくくりつけます。1日の半分くらい日が当たるような場所が最適です。周りに何もない日なたや完全に日かげになってしまうところはよくありません。
 ボトルを設置したら、しばらくさわらないようにしておき、3〜4日後に回収します。このとき、たくさんとれた場所、環境をよくおぼえておき、次にかける時の参考にします。たくさんとれる場所は何度かけてもよくとれます。

※ノムラホイホイの作り方はここを見てください→ここをクリック



ノムラホイホイで採集されたカブトムシ



たくさんとれたら次は?

 カブトムシがたくさんとれたら、えさをやりながらしばらく飼ってみましょう。カブトムシにスイカなどの果物を与えると、夢中になってその甘い汁を吸っています。しかしスイカはえさとしてはあまり良くないといわれています。あまり長い期間続けてあげないほうがいいかもしれません。
 カブトムシを飼っていると、夜中にブンブン飛び回るのを観察することができるはずです。カブトムシは夜行性なので、暗くなって、遅い時間になると活発に動き出し、はねを伸ばして飛ぼうとします。カブトムシのはねをじっくり見たことがありますか?見たことがなければ、この際観察してみましょう。
 せっかくカブトムシをつかまえることができたのですから、この際いろいろなことにチャレンジしてみましょう。いろんなことを調べてみましょう。

※こんなことも調べてみよう
・カブトムシはバナナやスイカのほかにどんなえさが好きかな?
・カブトムシのほかにどんな虫が集まりましたか?バナナでは?スイカでは?
・カブトムシは野山ではどんなえさを食べているのだろう?成虫は?幼虫は?
・カブトムシはどのくらい長生きするのだろう?飼ったら?野山では?
・カブトムシは飛びますか?どのくらいの距離?何時ごろ?どうやって飛ぶ?飛んだ後はどうするの?
・カブトムシがいた森にはほかにどんな虫がいるのだろう?




クヌギの樹液を吸うカブトムシ♂



ノムラホイホイのマナー

1)自分の身の安全を確保する―安全な昆虫採集をしよう
・ノムラホイホイの設置回収はなるべく昼間にする。
・必ず大人の人と一緒に行く。
・装備は以下を参考にしてください:長そでシャツ、長ズボン、運動靴、雨具、帽子、水筒、採集用具。
・安全グッズ(救急医療品、防犯グッズ、携帯電話)は忘れずに。

2)自然環境に対する配慮―自然を傷つけない昆虫採集をしよう
・不要な虫はとったその場で逃がす。
・他の場所から持ってきた虫を野山に放さない。
・火を使った採集は絶対にしない。
・朽木を崩す、立ち木を切り倒す、など回復不可能な採集はしない。

3)他の人に迷惑をかけないように注意
・ノムラホイホイには持ち主の名前と連絡先を書いたタグをつけ、片付けるように言われたら片付ける。
・採集禁止場所、立入禁止場所に許可なく立ち入ったり、採集をしない。
・設置したノムラホイホイは必ず回収する。
・採集現場にゴミを残していかない。

※3)に関連して、エリア内で昆虫採集が可能かどうか、管理人の人などに尋ね、同時にトラップ(ノムラホイホイ)を一定期間設置させてもらえるよう、頼んでおく(許可をもらっておく)と一番よい。

※マナーに関してさらに知りたい方はこちら→ここをクリック



ノムラホイホイ設置者の名前と連絡先を示すタグの例




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