アオコってなあに?

池や湖の表面が絵の具を流したように緑色や青緑色になることがあります。この水をとって見るとツブツブが見られるので青い粉の意味でアオコあるいはアオコ現象と呼ばれます。 このツブツブは非常に単純な微細藻類[びさいそうるい]である藍藻[らんそう]藍細菌[らんさいきん])の細胞が集まって群体[ぐんたい](固まり)を作ったものです。 アオコを作る藍藻は細胞の中に「ガス胞」と呼ばれる空気の入れ物を持っているため、水の表面に浮くことができます。藍藻のなかまには、ガス胞を持たずに、石の表面などに付着して生活するものもいます。

藍藻イラスト 藍藻イラスト

同じように微細藻類が大量発生して水が着色する現象は、珪藻[けいそう]渦鞭毛藻類[うずべんもうそうるい]などが大量発生した「赤潮」がよく知られています。 湖や池でも山間のダム湖などでは、渦鞭毛藻類による「淡水赤潮」が知られています。アオコや赤潮のように、微細藻類が大量発生して着色する現象を「水の華」と言います。

赤潮の原因生物 uroglena 赤潮の原因生物 keratium
赤潮の原因生物、ウログレナ(黄金藻):左、ケラティウム(渦鞭毛藻類):右
エーレンベルグが1838年に書いた図より

微細藻類は、陸上の植物と同じように、炭酸ガスを吸収して光合成を行い、酸素を発生します。また、成長には陸上の植物と同じ様に窒素[ちっそ]・リンさん・カリウムなどの栄養分が必要ですが、 水中ではカリウムは十分溶けているので、窒素とリン酸の量が微細藻類の成長には重要になります。自然状態では窒素やリン酸は落ち葉や動物の死体の分解により、ほんの少しずつ供給されるため、微細藻類はそれほど大量発生することはありません。一方、私たち人間が排出する下水道には大量の窒素やリン酸などの栄養分が含まれているため、それが池や湖や海に流れ込むと微細藻類が大量発生し、アオコや赤潮になります。

アオコの発生
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