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理工電子資料館

エジソンダイナモ

 わが国で初めて電気による明かりがともったのは1877(明治10)年前後です。それからしばらくは移動式発電機を現場へ持って行き、そこで発電していました。現在のように、発電所から送電線で電力を送るようになるのは1887(明治20)年11月に東京電灯会社の第二電灯局が日本橋南茅場町に一部完成し、営業を開始してからです。 そのころはまだ電力の利用は照明用だけでしたので、発電所を電灯局と呼んでいました。この火力発電所は燃料に石炭を使い、ポイラーを焚き、そのスチームを使って往復蒸気機関を駆動しました。そしてこの装置からベルトを使って25kWのエジソン式直流発電機(十号型400灯用125V200A)一台を回して発電し、電灯の供給を開始しました。
 この後1889(明治22)年12月に本工事が完成し、エジソンダイナモは4台に増設されました。本機はこれらの内の一つです。この当時はダイナモをペアで使い電圧約210Vの直流3線式で配電していました。これでもまだ電圧が低いために、送電可能な範囲は周囲数kmでした。ダイナモの構造は下図のようになっています。
 まず中央下にコイルを埋め込んだ電機子(アーマチュア)があり、これを外部の動力を用いて回します。そうすると左右の大きな電磁石(フィールドマグネット)やヨークとポールピースによって形成された磁気の流れをコイルの電線が切り、電気が流れます。電磁石は電機子と並列につながれており、電機子から得られた電流の一部を使います。このようにつないだ直流発電機をシャントダイナモといい負荷が多少変動しても出力はほぼ定電圧になります。
 エジソンが白熱電灯による照明システムを実用化するためには、今までの定電流特性を持ったアーク灯用発電機に変わるものが必要でした。白熱電灯は発電機に並列につなぐために、点灯数によって電圧が変わり、明るさに変動があってはまずかったのです。この他にもエジソンダイナモには鼓状電機子等の改良がなされていて当時としては非常に効率の良いものでした。

ダイナモ構造図

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