開催要旨

今から2万年ほど前、フランス南西部のヴェゼール渓谷にある洞窟に、躍動感溢れる動物たちの彩色画が描かれました。そこはラスコー洞窟、壁画を描いたのはクロマニョン人です。ラスコー洞窟の壁画は、彼らが描いた数ある壁画の中でも色彩の豊かさや、技法、そして600頭とも言われる描かれた動物の数と大きさなどが格別に素晴らしいと言われており、1979年に世界遺産にも登録されました。壁画を保存するため、洞窟は現在非公開となっていますが、その魅力を広く人々に知ってもらうべく、フランス政府公認のもと制作された展覧会が「LASCAUXINTERNATIONALEXHIBITION」です。

ラスコー展の見どころ

実物大で再現される壁画展示(イメージ)
© SPL Lascaux international exhibition

2016年秋、世界各国で人気を博しているこの巡回展に日本独自のコンテンツを加えた特別展「世界遺産 ラスコー展 ~クロマニョン人が残した洞窟壁画~」を開催いたします。

本展では、謎に包まれたラスコー洞窟の全貌を紹介するとともに、1ミリ以下の精度で再現した実物大の洞窟壁画展示によって、普段研究者ですら入ることができない洞窟内部の世界を体験することができます。また、クロマニョン人が残した芸術的な彫刻や多彩な道具にも焦点をあて、2万年前の人類の豊かな創造性や芸術のはじまりを知る旅にご案内いたします。

見どころ1 洞窟壁画の最高傑作を間近で体感

保全のため非公開となっている世界遺産の壁画を、最新テクノロジーを駆使して精密に復元しました。この会場でしか見ることが出来ない迫力満点の太古の傑作が、あなたの前に実物大でよみがえります。

ラスコー展見どころ1「洞窟壁画の最高傑作を間近で体感」

隠れた線刻がライトで浮かび上がる壁画展示(イメージ)
© SPL Lascaux international exhibition

見どころ2 芸術のはじまりを知る

素晴らしい壁画だけではないクロマニョン人の芸術世界を、ラスコー洞窟で見つかった画材や道具類など、日本限定で特別公開する実物資料の数々でお見せします。

ラスコー展見どころ2「芸術のはじまりを知る」

《ランプ》フランス国立考古学博物館(サン=ジェルマン=アン=レー)所蔵[フランス国立先史博物館(レゼジー)寄託]
Photo © RMN-Grand Palais (musée d’Archéologie nationale) / Loïc Hamon

見どころ3 クロマニョン人の正体を解き明かす

マンモスやオオツノジカが闊歩していた氷河期のヨーロッパで、ラスコーの壁画を描いたクロマニョン人とは、一体誰だったのでしょう? 彼らの意外な正体を解き明かします。

ラスコー展見どころ3「クロマニョン人の正体を解き明かす」

クロマニョン人復元模型
© SPL Lascaux international exhibition