
「令和2年7月豪雨」で被災した人吉城歴史館所蔵の植物標本レスキュー(Part.2)
全国に無数に存在している自然史標本。自然物を収集したものだとは言え、もう一度完全に同一のコレクションを採集して構築するのは不可能です。頻発する自然災害を完全に避けることは困難ですが、自然史標本の所有者・管理者は代わりのない資料であることを前提に、被災リスクを低減するための努力を払う必要があるでしょう。自然史標本は半永久に遺していく必要があるので、100年に1回レベルの自然災害を想定外とは言っていられません。災害時の迅速な対応を一つの目的として、国内のどこにどんな標本が何点保存されているかを集約したデータが公開されています<リンク1>。しかし、人吉城歴史館の前原コレクションは存在が見逃されていました。その存在が知られていれば、水害発生後の初動までの日数が短縮できた可能性がある点は悔いが残ります。