2010-01-01

2009年科学ニュースを振り返って


年頭のご挨拶

 2010年あけましておめでとうございます。国立科学博物館研究推進課・ホットニュース担当です。
 2007年11月にスタートしたホットニュースも,3回目の新年を迎えることができました。皆様のご愛読,誠にありがとうございます。

 今回のホットニュースでは,2009年の科学ニュースの中から,編集の都合で残念ながら掲載することのできなかった話題をまとめてお伝えします。
 タイムリーに知っておきたかった話題,今後の続報の掲載のご希望など,担当へのご意見,ご要望もお待ちしております。outreach@kahaku.go.jpまで,どうぞお気軽にお寄せください。

 国立科学博物館及びホットニュースを,本年もどうぞよろしくお願いいたします。




2009年気象概況:
 2009年は記録的に暖かい冬で始まりました。東京都の1月の平均気温は6.8度(気象庁調べ,以下同)で平年より1.0度高く,全国的に見ると北日本・東日本で高く,西日本では寒気の流入があったため平年(※1)並みとなりました。積雪量もこれに準じ,北日本・東日本の日本海側では平年と比べて大きく減少しました。
 2月以降も引き続き暖かく,東京の平均気温は5月までの毎月,平年と比べて1度以上高い状態が続きました。この結果桜の開花が東京で平年より7日,福岡では13日,京都や松江で12日など,全国的に大きく早まりました。
梅雨に入ると高温傾向は収まりましたが,今度は大雨と日照不足が続きました。7月の月間降水量は北日本の太平洋側で1946年(地域別記録を取り始めた年)以降最大となり,中国地方・九州地方北部では梅雨前線などの影響で1週間に渡る豪雨となりました。8月後半に入って東日本では天気は回復したものの,中国・北陸・東北地方では梅雨明けが確定できませんでした。
 9月は全国的に雨が少なく,本州以南では平年の半分に届かなかった観測点が多くありました。東京でも平年の約4分の1でした。この影響で奈良県や京都府などでこの冬の国産マツタケが凶作となり,品薄のため価格が高騰しています。
 10月には今年唯一の台風上陸となった台風18号が列島各地に大きな被害を出しました。
 11月は全国的に,寒暖の差が大きい月でした。中旬以降続いた雨の影響もあり,後半は一気に気温が下がりました。

 暖かい春,遅いあるいは特定できない梅雨明けとそれほど暑くない夏は,エル・ニーニョ現象が発生した年に良く見られるます。エル・ニーニョは12月時点でも継続していましたが,11月以降の日本の気象には特に影響は見られません。

※1 1971年〜2000年の平均値。

写真:2009年3月下旬,東京都内の桜。