脊椎動物として最初に顎をもったのは棘魚類であるが、後の硬骨魚類との生存競争に破れ、絶滅した。この棘魚類と祖先を同じくするある種の魚類から、軟骨の骨格という祖先の特徴をそのまま引き継いで今日に至っているのがサメ類である。最古のサメ類はデボン紀初期、約4億年前に出現した。ジョーズ(顎の意)といえばサメ、と思うくらいに顎がよく発達している。サメの段階になって鼻孔は左右二つになり、平衡器官としての内耳も形成されるようになった。
サメ類と同じく約4億年前に出現して別の道を歩んだ魚類が硬骨魚類である。骨格が軟骨に代わって硬い骨組織からできている。条鰭類と肉鰭類という二つの種類が区別され、前者に今日の硬骨魚類の大半が含まれる。肉鰭類(表1)の代表は、生きた化石として有名なシーラカンス(総鰭類)とエラ呼吸も肺呼吸もできる肺魚である。肺魚類では口腔の天井に内鼻孔があり、口の両側にある外鼻孔から取り入れられた空気が内鼻孔を通じて肺に送られる。化石肺魚類のみならず化石総鰭類もはこのような内鼻孔が認められている。両生類はこのような肉鰭類のあるものから進化したと考えられている。 |
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展示標本

顔(イラスト・石井礼子)

生態(写真提供・学研イメージネットワーク)
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