第1008号(2026.7.9)

ヘッター
 ついに明後日7月11日(土)より上野本館にて、特別展「いきもの超ワールド展 国立科学博物館×ダーウィンが来た!」が始まります。夏のおでかけプランの1つにいかがでしょうか?

 また、現在公開中の「おうちで体験!かはくVR」に、新たに「つくば夏の洋蘭展2026」の映像が追加されました。同展は、展示期間が1週間と短いながらも多くの皆様にご来場いただきました。展示を見逃してしまった方、遠方の方もぜひこの機会にご覧ください。
 植物園では、年間を通じて四季折々の植物を展示しております。みなさまのご来園を心よりお待ちしております。
◆ エッセイ ◆
研究対象として興味深い外来種
動物研究部 奥村 賢一
 自分はクモの分類学が専門ですが、研究を進める中で外来種との関わりが頻繁に生じたことで、悪者扱いとは別に研究対象としてとても興味深いと感じるようになりました。きっかけは2023年に実施したクラウドファンディングの返礼図鑑や2024年の特別展「昆虫 MANIAC」でも紹介したグラバーヤチグモという種の発見ですが、その後も八丈島の固有種として記載された種が、奄美諸島産の種と同種で国内移入種であることが判明したことや、セアカゴケグモを含む複数種が皇居内で発見されたことなどいろいろな成果を挙げることができています。

 10年ほど前から現在にかけても特定の地域で定期的にセアカゴケグモの調査を行なっています。また近年はクモに限らずノコバゼムカデ(国内移入種)やヤンバルトサカヤスデといった多足類の本土域における分布拡大が進んでおり、これらの生息状況調査なども行っています。関東に住み始めた直後には蝶の外来種であるアカボシゴマダラと初めて出会い、その後も簡単に見つかることに驚きました。

 外来種は動植物問わずあらゆる分類群が存在し世間でも度々注目されるので、いずれ外来種をさまざまな視点で紹介する企画展示を開催するのも良さそうだなと思っています。
◆ 筑波実験植物園だより ◆
夏に咲くタンポポの正体
筑波実験植物園 澤野つかさ
 3年前の春、一面に黄色い花を咲かせたタンポポの除草をすることが、筑波実験植物園の屋外班に配属されて最初に任された仕事でした。

 ナイロン製の紐を高速に回転させた刈払機で、地面をなでるように動かしながらタンポポを根から切り離します。樹名板に書かれた植物以外を除草することは、植物を見やすくするとともに、競争相手を取り除いて本来植生されている植物の生育を助ける大切な作業の一つです。いくつかのエリアを転々としながら繰り返すその刈払作業は、10月頃まで続きます。花を切り刻むたびに申し訳なく思う気持ちはありますが「切って生えて切って生えて…」を繰り返すうち、その綿毛を見ると軽い敗北感とともに闘争心が湧き上がるようになりました。

 私たちが道端で見かけるタンポポの多くは、海外から入ってきたセイヨウタンポポなどの外来種であることをご存じでしょうか。カントウタンポポなど日本古来のタンポポ(在来種)と見た目はそっくりですが、大きな違いはその繁殖力にあります。外来種は自分の花粉で種ができますが、在来種は自分の花粉で種は出来ず、ハチやチョウが花粉を運ぶ必要があります。また一年中何度も発芽できる外来種と違い、在来種は秋まで発芽しないそうです。花も在来種は春にしか咲かないため表題の「夏に咲くタンポポの正体」は、雑種を含む外来種のタンポポということになります。子供のころから慣れ親しんだ身近な草花が、いつの間にか外来種に置き換わっていると知ったとき、生存競争の厳しさと得体の知れない恐怖を感じました。

 ちなみに外来種と在来種の代表的な見分け方ですが、花の下の緑色の部分(=総苞片・そうほうへん)が反り返っているものが外来種、反り返っておらず上を向いているものが在来種のタンポポです。

 筑波実験植物園では在来種であるカントウタンポポやシロバナタンポポを見ることができます。とはいえ、夏の間は地面の下で休眠中のため、発芽する秋が来るまで(花が見たい場合は来春まで)は道端のセイヨウタンポポを横目で見つつ、植物園には除草の様子をチェックするという新たな視点で足を運んでみるのはいかがでしょうか。
●●● 展示・イベント情報 ●●●

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特別展「いきもの超ワールド展 国立科学博物館×ダーウィンが来た!」<予告>
[開催期間]2026年7月11日(土)~10月12日(月・祝)
※一部日程について、公式サイトより日時指定予約をお勧めします。
※会期等は変更になる場合がございます。
※開館時間、休館日、入場料、入場方法等の詳細は、公式サイトをご覧ください。
https://ikimonoworld.jp/(リンクを新しいタブで開きます)
いきもの超ワールド展 300KB
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企画展 国立科学博物館×総合地球環境学研究所 共同企画展「どうする、ニンゲン -研究の現場から地球の未来を問う」<予告>
[開催期間]2026年7月31日(金)~9月23日(水・祝)
https://www.kahaku.go.jp/tenji-event/nid00003904.html
どうするニンゲン
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第42回植物画コンクール入選作品展
[開催期間]令和8年6月30日(火)~7月20日(月・祝)
第42回植物画コンクール_page-0001
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企画展「水草展―水辺を生きる多彩なかたち―」<予告>
 水草の葉・根・花・種子の形は実に多様で、水中を生き抜くための工夫と進化の歴史が刻まれています。
 美しくも奇妙な形に潜む水中生活の謎に驚く体験型展示です。
 見て触れて楽しみ、水草の不思議な世界を感じてください。

[開催期間]令和8年8月7日(金)~ 8月16日(日)
https://tbg.kahaku.go.jp/tenji-event/nid00004119.html
水草展 ポスター
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企画展「自然教育園で快適な場所を歩いてみて!!2026」<予告>
 過去2年の調査へのご協力感謝!皆様の声から生まれた「自然教育園の快適さマップ」が完成しました。展示室では、研究成果の展示に加え、マップ付き「特製うちわ」を配布。
 うちわを片手に、快適な場所を探しながら園内を歩いてみませんか?

[開催期間]令和8年7月11日(土)~9月6日(日)
https://ins.kahaku.go.jp/event/albums/abm.php?d=5327&f=abm00022076.pdf&n=web_kaiteki2026.pdf
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「都市森トーク 森が都市を冷やす~温暖化と都市の森~(会場&オンライン配信)」<参加者募集中!>
 「森が都市を冷やす」というのは、本当でしょうか。都市というアウェーで生きながら、植物は私たちにどんな恩恵をくれるのかを、気象学の視点で解説します。後半は参加者の皆様とのトークで、都市緑地の未来を探ります。

[開催日時]令和8年8月9日(日)13:30~15:30
https://ins.kahaku.go.jp/event/nid00005364.html
  • mlmgImg_INS-event
「大学生のための菌類学入門(オンライン)」<参加者募集中!>
 菌類(きのこ・カビ・酵母)は推定150万種ともいわれる巨大で多様な生物群です。この講座では、大学生の教養レベルで菌類の分類・生態・進化・人間との関わりなどを解説します。

[開催日時]令和8年8月1日(土)10:00~11:00、13:00~14:00、14:30~15:30(3コマ連続講座)
https://ins.kahaku.go.jp/event/nid00005361.html#/
●●● お知らせ ●●●
巡回展のご案内
当館では、展示物のキットを開発し、地域振興を目的に巡回展として全国の様々な施設に貸出を行っています。


・三重県総合博物館(三重県)<予告>
 巡回展「WHO ARE WE 観察と発見の生物学 国立科学博物館収蔵庫コレクション | Vol.01 哺乳類」
 [開催期間]2026年7月11日(土)~2026年9月27日(日)
https://www.bunka.pref.mie.lg.jp/MieMu/
(三重県総合博物館 公式サイト)

・横須賀市自然・人文博物館(神奈川県)<予告>
 巡回展「未来へつなぐ博物館」
 [開催期間]2026年7月18日(土)~2026年11月8日(日)
https://www.museum.yokosuka.kanagawa.jp/
(横須賀市自然・人文博 物館 公式サイト)

・多摩六都科学館(東京都)<予告>
 巡回展「キモかわすごい!海の骨なしどうぶつの世界」
 [開催期間]2026年7月18日(土)~2026年8月31日(月)
https://www.tamarokuto.or.jp/
(多摩六都科学館 公式サイト)


科博関連メディア情報
■NHK Eテレ【再放送】
サイエンスZERO 「ダーウィンもびっくり!“食虫植物”の超進化」
<放送日時>
7月11日(土)11:00~11:30
https://www.web.nhk/tv/an/zero/pl/series-tep-XK5VKV7V98

■NHK Eテレ【再放送】究極ガイド
2時間でまわる国立科学博物館
<放送日時>
7月11日(土)14:00~15:59
https://www.web.nhk/tv/an/2hguide/pl/series-tep-WY9ZK8Q98V/ep/NJ5X7RV1WL
国立科学博物館の展示を迫力の映像でお楽しみいただけます(2023年制作)。

ぜひご覧ください。
※NHKONEでの同時・見逃し配信もございます。
※放送内容・日時は変更になる場合もございます。

科博の「これから」を応援して下さい ~寄付・募金のお願い~

国立科学博物館では、研究活動への寄付や賛助会、インターネット上から募金できる「Web募金箱」など、多様な形でご支援を受け入れております。
皆様からのご支援を活用し、調査・研究、標本・資料の収集・保管、展示・学習支援など、様々な博物館事業を推進しています。
是非とも、科博の「これから」を応援して下さい。

「寄付つき入館(園)券」販売中

2025年10月1日より、上野本館・筑波実験植物園・附属自然教育園にて、寄付つき入館(園)券を販売しています。
ご来館、ご来園の際は、ぜひお買い求めください。

メール募集中

科博に関する思い出、展示の感想など皆様からのメールをお待ちしております。(ご感想などについては、このメールマガジンにて紹介させていただくことがあります。)
宛先: magazine@kahaku.go.jp(リンクを新しいタブで開きます)


  • 編集:国立科学博物館 学習支援部 広報・連携課

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