展示構成
ゾーン1 昆虫とムシ
人の暮らしの最も身近に生息する野生動物、昆虫。昆虫と聞けばおそらく誰もがいくつかの名前を挙げることができる。一方で、昆虫は地球最大の多様性を誇る生物でもある。人がこれまでに名付けた昆虫は約100万種におよび、その数倍ともいわれる数のまだ知られていない昆虫たちが存在する。その多様性は、体のつくりから行動、能力にいたるまで、昆虫の種ごとに、さらには1種の昆虫の中ですら、驚くほど高く、変化に富んでいる。果たして、私たちは本当に昆虫のことを知っているのだろうか?
まずは「昆虫」とは、そして「ムシ」とはどのような生き物であるかをひとつずつ確かめながら辿ってみよう。
ゾーン2 多様なムシ
本章に用意された5つの扉では、5人の研究者たちがMANIACなムシの世界へと誘うべく待ち構えている。「トンボの扉」ではトンボをはじめとする不完全変態昆虫を、「ハチの扉」では膜状の翅をもつハチとハエの仲間を、「チョウの扉」ではチョウとガの仲間を、「クモの扉」はクモをはじめとする昆虫以外のムシを、そして「カブトムシの扉」はカブトムシをはじめとする甲虫を切り口に、多様な視点でムシの世界を掘り下げている。
おなじみのムシたちの一歩先にある、ムシの世界の「MANIAC」を知ることは、研究者たちが向き合っているムシの本当の多様性を知ることの第一歩かもしれない。
ハチの扉 エゾオナガバチ巨大模型
ゾーン3 ムシと人
最後は、ムシと人のこれまでとこれからを考えていく。ムシは様々な環境の中でくらし、他の生物とかかわり合いながら、多様化を果たしてきた。その生息地には当然人の生活環境も含まれる。人にとって身近で、多様なムシたちは、人のくらしと切り離すことはできない。ときに人の役に立ち、ときに人に害をなすものもいるだろう。一方で、人の活動もまた、ムシたちのくらしにさまざまな影響を与えている。
あらためてムシと向き合ってもらいたい。