かはくTOP
翡翠展−東洋の至宝−
展示案内

第2部 翡翠の文化史
 縄文時代から古墳時代の翡翠は、祭祀・呪術品、装身具や勾玉などに加工され、「聖なる石」として珍重されていました。日本の古墳時代に相当する朝鮮半島の三国時代の遺跡からも、翡翠の勾玉が遺物として発掘され、日本から朝鮮半島に翡翠が渡った様子がうかがえます。山梨県で見つかった世界最古の翡翠大珠をはじめ、三内丸山遺跡(青森)や吉野ヶ里遺跡(佐賀)の出土品、朝鮮半島の三国時代の勾玉などを紹介します。
奈良時代以降、昭和初期に再発見されるまで、日本の翡翠は忽然とその姿を消してしまいます。古代日本の翡翠を文化的な側面から分析し、翡翠をめぐる歴史の謎にもスポットを当てます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「翡翠勾玉」
  出雲大社・所蔵、重要文化財  
  *展示期間限定
    展示期間は11月13日(土)〜18日(木)、
           12月2日(木)〜24日(金)です。
    ※その他の期間はレプリカを展示します。

 出雲大社本殿の裏の真名井遺跡から、最高品質の翡翠の勾玉が、銅戈(どうか)とともに出土しました。現在は出雲大社に保管されています。当初はミャンマー産のものと疑われていましたが、ミャンマー産の翡翠の発見がはるかに遅いことから、現在では糸魚川産とされています。
 出雲大社が奉る大国主命は、翡翠の産地・糸魚川がある越の国にいた奴奈川姫(ヌナガワヒメ)や、北九州の多紀理毘売(タギリビメ、宗像三女神の一神)らと結婚しています。両文化圏を代表する翡翠と銅戈が埋められており、真名井遺跡に葬られたのは出雲地域の重要な人物と考えられています。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翡翠勾玉
  奈良文化財研究所・所蔵

 飛鳥寺は、蘇我馬子により建てられたわが国最初の本格的寺院です。593年(推古天皇元年)に、飛鳥寺の塔心礎に仏舎利を納めて心柱を建立しました。展示される翡翠勾玉は、この仏舎利とともに埋められた宝物の1つで、使用された年代が特定できる唯一の古代の翡翠です。翡翠とともに埋められた宝物は、同時期の古墳に埋められた宝物とほとんど同じでした。翡翠勾玉は2個埋められていましたが、1個は緑色の透明感のある翡翠で、品質は当時の最高のものです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第1部:翡翠の科学 | 第2部:翡翠の文化史 | 第3部:中国(清)の翡翠玉器 | 第4部:翡翠の魅力


開催要項
 | 展示案内 | イベント | 翡翠とは |翡翠展TOP