木の性質を利用して、木と木をすき間なく組み合わせる「木組」。豊かな森林に恵まれ、木に親しんできた日本人は、古くから木組の技術を使って、日常生活で使う小物入れから家具、そして住宅にいたるまで、さまざまなものを作り上げてきました。本展では、これらの木組を分解してお見せするとともに、国立科学博物館が所蔵する精巧な建築模型などを展示します。木組を分解すると、普段は隠れて見えない職人たちの知恵や工夫、高度な技が見えてきます。木組の魅力に触れ、その奥深い世界をお楽しみいただければ幸いです。

入館についてのご注意

上野本館では、入館を予約制とさせていただきます。詳細は入館予約のお願いをご覧ください。

展示概要

企画展
名称
国立科学博物館・竹中大工道具館共同企画展「木組 分解してみました」
開催期間 2021(令和3)年10月13日(水)~11月24日(水)
開催場所 国立科学博物館(東京・上野公園)
日本館1階企画展示室および中央ホール
開館時間 9:00~17:00 ※入館は閉館時刻の30分前まで
休館日 月曜日
入館料 一般・大学生630円(団体510円)(税込)
※常設展示入館料のみでご覧いただけます。
※団体は20名以上。
※高校生以下および65歳以上無料。
主催 国立科学博物館、竹中大工道具館
協賛 竹中工務店

アクセス

独立行政法人国立科学博物館
所在地 東京都台東区上野公園 7-20
お問合せ 050-5541-8600(ハローダイヤル)
国立科学博物館アクセスマップ

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展示紹介

継手、仕口ってなに?

部材どうしを同じ方向につなげる技法「継手」と、直角など角度をつけてつなげる技法「仕口」。これら木組の基本を紹介します。

木組はどのように変わってきたの?

木組は、古代に縄やひもで丸太を縛ることから始まり、その後、木材を切り欠き組み合わせる技術へと発達しました。その変遷を紹介します。

積み上げる木組

お寺や神社の建物には独特な形をした部材の斗(ます)や肘木(ひじき)が使われます。規則正しく積み上げる木組の技法を紹介します。

繊細なる木組

木工品の中でも組子と指物には特に正確な設計と熟練の技が求められます。建築とは違う独特の木組を日本屈指の職人による作品で紹介します。

西洋の木組

曲線的で複雑な西洋の木組には日本とは異なる独自の技術が見られます。今回展示するフランスの木組と日本の木組、ぜひ見比べてください。

橋をつくる木組

石造りのアーチ構造はよく見られますが、それを木に置き換えた錦帯橋(山口県岩国市)は世界的にも珍しい存在です。これもまた木組なのです。

不思議な木組

立体パズルとなった木組を展示します。どこをどう組み合わせているのかわからない複雑な木組をじっくりとご覧ください。

〈蔵出し〉科博所蔵「法隆寺五重塔」模型

かつて国立科学博物館で常設展示していた「法隆寺五重塔」の模型を22年ぶりに公開します。法隆寺の五重塔といえば、現存する最古の木造建築として有名ですが、その「積み上げ構造」は1300年以上経った現代においても、高層建造物を建てる際に参考とされています。古来継承される建築構造を1/25スケールの模型でご覧ください。

科博所蔵「法隆寺五重塔」模型 平成11(1999)年まで常設展示されていたときのようす

法隆寺五重塔(25分の1)
所蔵:国立科学博物館