2015-06-10

80年で起きたさえずりの進化−ハワイの移入種、ウグイスの研究から

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単純なハワイのさえずり
さえずりが複雑・単純になるしくみ
ハワイの博物館標本を使って
ハワイの移入種と在来種への影響

単純なハワイのさえずり

図1.日本 (a)[再生] とハワイ (b)[再生] のウグイスのさえずり。ハワイの写真は標本(Bishop Museum所蔵)。[再生]をクリックすると、声紋に対応する音声を聞くことができます。


 ウグイスのさえずりというと「ホーホケキョ」という声を思い出しますが、実際はいろいろなさえずり方があります。注意して聞いてみると、「ホーホケキキョ」「ホーキョホ」などと聞こえる、いろいろなさえずり方のあることがわかります。
 ところで、ハワイにもウグイスがすんでいます。と言っても、自然に分布しているのではなく、約80年前に日本から持ち込まれ、それが野生化したものです。このウグイスたちは、「ホーホピッ」「ホーピョッ」などと聞こえるとても単純なさえずりをもっています。分析してみると、さえずりを構成する音の数が少なくなっています。図1をみると、日本のさえずり (a) では「ホー」を除いた後ろの部分に音が4つありますが、ハワイのさえずり (b) では1つしかありません。また、図1で音の線が折れ曲がって見えるところ(音の高さの変化のしかたが変わる点)が、日本のさえずりに比べてハワイのさえずりでは少ないことがわかります。ハワイのさえずりは音の変化、いわば節回しが単純なのです。


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