2013-11-28

小笠原に新火山島が誕生?


西之島は40年前にも噴火した活火山





















図2.(a)、(b)1973年から1974年までの噴火に伴う西之島新島の形成過程および(b)〜(d)噴火後の海食および堆積に伴う西之島の地形変化
(青木・小坂、1974;小坂、1991の一部を抜粋)。





 西之島は気象庁が定義する活火山であるため、噴火する可能性は高いと考えられていました。前回の噴火は1973年春から1974年6月まで1年以上も継続し(青木・小坂、1974;小坂、1991)、噴火終了後も毎年のようにマグマ活動に伴う海の変色が確認されていたからです。1973年の噴火前、西之島は南北に細長い胡瓜のような形をしていました(図2a)。現在は旧島とよばれている場所です。

 1973年4月から5月にかけて、この旧島の南東から水煙や白煙が確認され、9月には直径30mを超える火口が出現しました(図2a)。その後、5地点の火口から溶岩流や火山灰が噴出し、1974年7月には旧島に連結し、旧島よりも広い地域が陸化しました(図2b)。これら場所は新島とよばれています。噴火終了後、新島は海食や堆積により地形が変化していきました(図2b,c,d)。1990年頃までには北岸の湾入部が埋め立てられ、島全体はほぼ正方形になりました(図2d)。