2008-02-01

火山国日本−新たな予報・警報はじまる− (協力:地学研究部 佐野貴司)

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※この記事は以下のページで構成されています。ご覧ください。
火山現象予\報・警報はじまる
噴火警戒レベルの導入
火山噴火のメカニズム
火山噴火予知と災害への備え

噴火警戒レベルの導入

 火山現象予報・警報に加えて,防災対策が整っている16の火山については,新たに噴火警戒レベルが導入され,より具体的な火山活動状況や,火山近隣に居住する人々,登山者などが状況に対して取るべき対応などが示されるようになりました。

 噴火警戒レベルは全部で5段階あり,噴火予報にあたるレベル1では火山活動は静穏,または火口内で火山灰の噴出が見られる程度です。

 レベル2,レベル3は火口周辺情報にあたります。レベル2「火口周辺規制」は,火口付近に限定された噴火が発生,若しくは発生が予想されている状態です。火山活動の状況に応じて登山者等に対して火口周辺への立ち入りが禁止されます。
レベル3「入山危険」は,居住地に影響を及ぼす可能性のある噴火が発生,或いは予想される状態です。登山・入山が禁止されるほか,火山近隣の居住者に対して注意が促され,状況によってはひとり暮らしのお年寄りなど,災害時に援護が必要となる可能性のある方の避難の準備が始められます。

 2008年2月3日,気象庁は桜島について,噴火警戒レベルをそれまでの2から3に引き上げると発表しました。2月6日現在でも爆発的に噴煙が上がり,噴石や,小規模な火砕流が繰り返し発生しているため,レベル3が継続されています。

 レベル4,レベル5が噴火警報に該当します。レベル4「避難準備」は居住地域(※3)に重大な被害を及ぼす噴火が発生する可能性が高まっている状態であり,警戒が必要と思われる居住地域での避難の準備,援護が必要な方については避難が行われることもあります。
 レベル5「避難」は居住地域に重大な被害を及ぼす噴火が発生してしまっている状態,または噴火が極めて差し迫っている状態です。危険な居住地域から避難することが必要になります。
現在,16火山以外の火山に対しても,警戒レベルの導入が目指されています。

※3 ここで言う危険な居住地域とは一般に,災害対策基本法に基づく地域防災計画などにより予め定められた地域を言います。しかし,実際に被害が及ぶ地域は火山活動の状況によって変わってくるため,他地域の方も情報に十分注意する必要があります。

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