2008-05-20

速報:5月12日,中国四川省大地震 (協力:地学研究部 堤之恭)

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※この記事は以下のページで構成されています。ご覧ください。
四川大地震
今回の地震の特徴(1)
今回の地震の特徴(2)
海外の地震報道を見聞きしたら:注意しておきたい「震度」の基準

今回の地震の特徴(2)

 今回の地震発生からおよそ3分後,震源地からおよそ1500km離れた首都北京でも体に感じる地震がありました。日本の震度(※詳細次項)に換算すると震度時間は明確ではありませんが北京の南,天津市でもはっきりと知覚できる揺れ,更に南に下った南京や香港でも揺れを感じたとの報告があります。中国国内の新聞報道によれば,「国土の半分にも及ぶ範囲が揺れた」といいます。
 これは今回の地震で発生した地震波のうち,表面波と呼ばれる成分によるものと考えられています。表面波は震源の深さが50km程度までと比較的浅い場合に発生しやすく,地殻内で何度も反射しながら伝わるため,距離が離れても揺れが小さくなりにくいという特徴があります。2004年の新潟県中越地震(M6.8,震度6強)などでも発生し,200km以上離れた東京で震度3を観測するなど広い範囲で体に感じる揺れがありました。中国では日本と比べて地殻が硬く平坦なため更に表面波が伝わりやすく,より広い範囲に揺れがもたらされることになったと考えられています。

 日本では地震発生のおよそ5分後から,各地の地震計で体には感じられない程度の揺れが捉えられています。また,15時41分と17時45分頃・18時10分頃・20時15分頃・20時40分頃の計5回,周期が最大約2分の,同じく体に感じられない揺れが観測されました。
 気象庁地震火山部の発表では,15時41分の揺れは震源地から直接届いた表面波であり,18時10分,20時40分のものはそれぞれ地球を1周,2周して到達したもの,また17時45分と20時15分のものは地球を逆方向に回って伝わってきたものであるとされており,今回の地震の激しさを物語っています。


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