小笠原諸島

日本の代表的な海洋島

東京から南にはるか1000km、奄美大島や沖縄島とほぼ同緯度の亜熱帯の海上に連なる小笠原諸島は、新生代の第三紀に海底の火山活動によって成立して以来、一度も大陸と地続きになったことのない海洋島である。したがって、ここに生息する陸上の動植物は、風や海流に乗って偶然ここに流れ着いたものたちおよびその子孫であり、長い年月のうちに進化をとげ、多くの固有種となった。さらに、小笠原諸島は聟島、父島、母島の3列島に含まれる大小合わせて30あまりの島から成立するため、分散能力の低い動植物では、島ごとに種分化が起こり、他からの種の侵入がい難しい大洋島としては豊富な生物相に恵まれている。まさにガラパゴス諸島やハワイ諸島に匹敵するような進化の実験室といえよう。戦後、小笠原諸島の日本への返還にともない、固有の哺乳類・鳥類から無脊椎動物までの多くの動物が天然記念物に指定された。

【小笠原諸島父島の景観】

  

 

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