さがそう!間違い?科学館トップへ 国立科学博物館トップページへ

科学のトリックに挑戦!懸賞の答え発表!
   
 今回の懸賞へたくさんの方からご応募頂きました。ありがとうございます。早速トリックの答えを紹介します。

クイズの回答 
≪ニュートンの反重力パイプ≫
【答え】(1)プラスチックのパイプ
【解説】磁石がアルミのような金属パイプの中を落下すると、電磁誘導によりパイプの円周方向に電流が発生しさらにこれが磁力を生み出します。磁石の下側に発生した電流によって生み出された磁力は、落下する磁石の極性とは逆向きなのでお互いに反発して磁石を押し上げ、その結果磁石の落下運動にブレーキがかかります。磁石の上側でも電流が発生し、生み出される磁力は磁石の磁力と極性が同じなのでお互いに引き合って磁石を引き上げ、同様にブレーキがかかります。電導体でないプラスチックでは電流は生じないのでブレーキはかからず、したがって着地が早いのはほぼ自由落下をするプラスチックのパイプということになります。

≪焼き芋の平等な分け方≫
【答え】(2)ある。丸い方が得。
【解説】棒てんびんの釣り合いの条件は、「支点からの距離」と「その点にあるオモリの重さ」をかけた値が一定(左右で同じ)であることです。もし焼き芋が釣り合っているならば、「丸い方の重心にかかる重さ」と「重心から支点までの距離」をかけた値と、「とがった方の重心にかかる重さ」と「重心から支点までの距離」をかけた値とが等しいことになります。このとき丸い方の重心の位置ととがった方の重心の位置の支点までの距離を比べると、丸い方が支点に近いことが分かります。天秤の釣り合いの条件から、丸い方がとがった方よりも重いことが分かり、その方が得であることが分かります。

≪軽くならない動滑車≫
【答え】(2)右が下がる ※
【解説】「定滑車では力の向を変え、動滑車では力が2分の1になる。」これは、滑車の基本的性質です。それによれば、問いのような滑車の組み合わせでは、同じ重さのオモリ3個を用意し1つを定滑車から下がったひもに吊し2つを動滑車に吊したときに釣り合うことになります。しかし釣り合うのは滑車の重さがゼロのときだけで、実際には滑車には重さがあるので釣り合いません。イラストのように同じ重さのオモリを定滑車と動滑車に1つずつ吊した場合は、動滑車の重さとオモリの重さの関係によって状況が異なります。動滑車とオモリの重さが等しいときに動滑車側の全重量がオモリ2つ分となり定滑車側のオモリと釣り合います。また、動滑車の重さがオモリよりも重いときは右が下がり、軽いときは左が下がることになります。
※ 問題は「動滑車がオモリよりも少し重い」という条件をつけたので答えは「A右が下がる」となりますが、会場の展示物は「動滑車の重さがオモリと同じ」となっており、この条件だと「@つりあう」となります。
 混乱を招くような設定をしてしまいましたので、今回は両方とも正解として抽選させていただきました。ご迷惑をおかけしました。

≪直線より短い曲線≫
【答え】(3)ある。曲線コースが早い。
【解説】ボールがコースを転がり落ちる間、直線、曲線いずれのコースもボールは加速していきます。もし加速する割合が両方のコースで同じとすれば、距離の短い方すなわち直線コースの方が当然早くゴールします。しかし実際にはそうなりません。直線コースの加速する割合いが一定(等加速度運動)に対して、イラストのような曲線の場合は一定にはなりません。曲線コースでは、加速する割合は始めは大きくゴールに近づくに従って小さくなりますが、スタート直後の加速によって十分な速さに達するために全体としての速さは直線を上回ることになります。イラストでは分かりにくいのですが、実は曲線コースはサイクロイド曲線を想定しています。サイクロイド曲線はボールが最も早くゴールする曲線で、当然直線コースより早くゴールするのです。

 
 正解者の中の賞品当選者は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
| 開催要項 | 展示案内 | イベント |