ゴリラとピテカントロプスはずいぶん違うところが多いが、ほとんど変わらないのは表情筋である。表情筋は、本来は目を閉じたり口を開いたりするための筋肉で顔面筋と呼ばれる。しかし、サルの仲間で発達し、顔の皮膚を動かすことによって表情を作り出し、意思伝達をするようになったので、表情筋とも呼ばれている。
顔全体に広がった表情筋は、ゴリラでもピテカントロプスでも同じように細かく分かれて、微妙な表情を表せるようになっている。つまり、私たちが人間に独特だと思っているさまざまの感情は、類人猿にも備わっていることがわかる。言葉をもたない類人猿では、人間以上に、表情が意思伝達に重要である。ただし、類人猿は、人間のように、偽りの表情やポーカーフェイスは得意ではない。 |
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マウンテンゴリラ
筋肉復元
(制作:矢沢造形) |
ピテカントロプス
筋肉復元
(制作:矢沢造形) |
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