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万華鏡は光の研究の中で生まれたサイエンス・アートであり、サイエンス・トイでもある。科学の子といえば、日本には鉄腕アトムがいるが、スコットランドで生まれた万華鏡もまさしく科学の子。鏡の組み方と光の反射が万華鏡の基本だが、鏡の表面で反射をさせる表面鏡と、綺麗に永遠に続く光の反射は、果てしない宇宙を覗く反射望遠鏡にはなくてはならないもの。小さな万華鏡の中に、宇宙を覗く秘密を持っているのだ。
3枚の鏡を規則正しく正三角形に組むと、その反射は正三角形が無限に広がっていく。規則正しさが、そして科学が美しいと感じる瞬間だ。永遠に続く美と、同じ映像はもう二度と見ることができないかも知れない不思議さ。今という目には見えない時間を、万華鏡で覗いているのかもしれない。不思議で美しい科学である万華鏡の世界を十分に楽しんでください。
日本万華鏡倶楽部代表
日本万華鏡博物館館長
大熊進一
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