標本に関すること


Database for Aquatic-vertebrate Science

二重染色透明標本作成方法


使用する薬品:ホルマリン、軟骨染色液、トリプシン混合液、硬骨染色液、0.5%水酸化カリウム水溶液、グリセリン、チモール。
軟骨染色液:95%エタノール85ml、氷酢酸20ml、アルシャンブルー8GX10mgを混ぜて作ります。
トリプシン混合液:飽和ホウ砂水溶液3、水7の割合の液2リットルにトリプシンを小型薬サジに7杯程度入れます。
硬骨染色液:0.5%水酸化カリウム水溶液に少量のアリザリンレッドS粉末を溶かした液(濃紫色を呈する)。





キイロサンゴハゼの二重染色透明標本


キイロサンゴハゼの尾鰭骨格:青い部分は軟骨
標本をホルマリンで固定します。液浸標本の固定参照


固定した標本を水洗します(1-2日)。大型標本の場合には内臓を取り除き、3-4日水洗します。

水洗を終えた標本を軟骨染色液に入れます。

95%エタノール液に2-3時間標本を入れます。液を新しくして、再度2-3時間入れます。

75%エタノール液に2-3時間標本を入れます。

40%エタノール液に2-3時間標本を入れます。

15%エタノール液に2-3時間標本を入れます。

純水に移し、1日おきます。

トリプシン混合液に入れます。液の量は標本の体積の10-40倍。夏は室温でよいが、冬は30-35度程度の恒温槽に入れるとトリプシン活性が高くなります。

硬骨染色液に入れます。1-2日入れておきます。

0.5%水酸化カリウム水溶液に半日から1日入れて、余分な染色液を除きます。

0.5%水酸化カリウムとグリセリンの混合液に標本を移します。最初は水酸化カリウム8、グリセリン2の比率の溶液に入れ、7:3、6:4、5:5、4:6、3:7、2:8とグリセリンの比率を上げてゆき、最後に純粋のグリセリンに入れ、微量のチモール粉末(防腐剤)を加えます。それぞれの段階に1-2日ずつ入れます。

完成した標本はスチロールケースなどに保存します。



 戻る