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タンガニイカ湖産シクリッド科魚類の同定システム(ISTC) ver. 3.4b
科学研究費基盤研究(B)課題番号16380140に基づくシステム


高橋鉄美(京都大学), 大塚泰介(滋賀県立琵琶湖博物館), 松浦啓一(国立科学博物館)


 
1.使い方
ISTC(MacOSX)もしくはISTC(Win)をダウンロードして下さい。
ダウンロードしたファイルをクリックし、本システムを起動して下さい。このとき、マクロが有効になるように起動して下さい。
本システムが起動したら、シート左側にある「Enter your data」欄の白抜きセルに、計測したデータを入力します。入力するデータは1つ以上あれば検索を実行することができますが、多い方がより信頼性の高い結果が得られます。
「Level of index I」欄の白抜きセルに有意水準を入力します。通常は0.01です。
「Search」ボタンをクリックし、検索を開始します。
2.検索結果の見方
候補となる種類の学名が表示されます。上位に表示される学名ほどI値が大きく、正しい同定結果である可能性が高くなります。学名をクリックするとFishBaseにリンクします。
3.形質の計測方法
計数形質
Cha. 1: Dorsal fin spines(背鰭棘条数):背鰭の棘条の数です。棘条とは分節がなく、また分岐しない鰭条のことです。鰭の前部を支持します。多くの種類では硬く、容易には曲がりません。
Cha. 2: Dorsal fin soft rays(背鰭軟条数):背鰭の軟条の数です。軟条とは分節のある鰭条のことで普通は分岐し、容易に曲がります。スズキ目魚類では通常、最後の軟条は直前の軟条と皮膚の下でつながっていることが多く、これらをまとめて1本と数えます。つまり、見た目の最後の2本を1本として数えるのが一般的です。しかしタンガニイカ湖産シクリッドでは最後の軟条は皮膚の下でも直前の軟条から独立しています。よって最後の軟条も1本と数えます。
Cha. 3: Anal fin spines(臀鰭棘条数):臀鰭の棘条の数です。
Cha. 4: Anal fin soft rays(臀鰭軟条数):臀鰭の軟条の数です。最後の軟条については、Cha. 2と同じです。
Cha. 5: Scales in longitudinal line(縦列鱗数):タンガニイカ湖産カワスズメ科魚類では通常、体の片側に側線が2本あります。上方側線は上烏状骨の後方(鰓孔上端のあたり)から始まります。下方側線は体側後部の体軸上にあります。それぞれの側線の長さは、種類や成長段階によって様々です。縦列鱗数の数え方は、1)まず上方側線に沿って前から後方に、一番目の鱗から順に数え(側線管の無い鱗も含めて数える)、2)上方側線の後端まで数えたら斜め後下方向に進みながら数え、3)体軸上の鱗列(普通は下方側線)まで数えたらまっすぐ後方へ体軸上の鱗列に沿って尾鰭骨格の後端(尾鰭を曲げた時にできる皺)まで数えます。

質的形質
Cha. 6: Cheek naked (0) or scaled (1)(頬部の鱗):頬部に数列の鱗を被る場合は1、鱗を全く被らないか、数枚の鱗が点在する程度なら0とします。鱗が頬の後部にしかない場合、鱗が眼の中心下より前方まで広がっていれば1、目の中心下に届かなければ0とします。
Cha. 7: Outer tooth uni- (1), bi- (2) or tricuspid (3)(外列歯の形):多くの種において両顎の歯は2列以上あります。そのうち、もっとも外側の列にある歯を外列歯と呼びます(歯が1列しか無い場合は、その歯を外列歯とします)。顎の前部に生える外列歯の形が単尖塔なら1、二尖塔なら2、三尖塔なら3とします。複数の形の歯が混在する場合は、その内の一つの値を入力してください(例えば単尖塔の歯と二尖塔の歯が混在する場合、1を入力しても2を入力しても検索結果は変わりません)。
Cha. 8: Inner tooth uni- (1) or tricuspid (3), or absent (0)(内列歯の形):両顎の歯が2列以上ある場合、2列目以後の歯を内列歯と呼びます。顎の前部に生える内列歯の形が単尖塔なら1、三尖塔なら3とします。歯が1列(外列歯)しかない場合は、内列歯が無いので0と入力します。
4.その他
もし検索結果の中に妥当と思われる種類が無い場合は、level of index Iを下げて再度検索して下さい。また、データ不足により検索に用いられなかった種類(列K)もあります。この点もご留意下さい。
本システム(Excelファイル)は「上書き保存」、「別名で保存」が出来ないように設定してあります。
本システムの使用によりあなたのコンピューター、研究、および財産に危害を加えたとしても、当方は一切責任を負いません。

5.謝辞
このシステムは科学研究費基盤研究(B) (課題番号 16380140) を用いて作成されました。