チョウジザクラ:国立科学博物館 植物研究部編


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チョウジザクラ


Prunus apetala(Sieb. et Zucc.)Franch. et Sav.

 岩手県を北限とする東北地方の太平洋側から近畿、中国、九州熊本県五家荘まで分布するが、紀伊半島と四国には分布しない。滋賀県以西では石灰岩などの岩石地に限って生育する。これに対して、東北地方から宮山県東部の主として日本海側に多いオクチョウジザクラは多雪地帯に適応したチョウジザクラの変種と考えられている。根元から多くの枝を分かつ小低木で、樹皮は灰褐色、萼筒は細長い筒状である。花弁は楕円形もしくは長楕円状卵形、チョウジザクラでは長さ約8mm、オクチョウジザクラでは長さ約10mm、ふつう白色、ときに淡紅色を帯びる.花や葉に開出毛がある。花期は自生地でチョウジザクラが3月下旬から4月下旬、オクチョウジザクラが4月中旬から5月上旬である。


埼玉県能林.
1982−4−11
埼玉県能林.
1982−4−11

写真撮影:川崎哲也


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