研究室だより

2023年4月

ミジンコがあらわれた!

最近、日能研とかはくのジョイントイベント*で使うために、東北大学の占部城太郎先生の研究室からミジンコがやってきました。
(*イベントは終了しています)

頑張れば肉眼で姿を確認できるサイズです。とても可愛い!!

ミジンコ

ステキな第一触角...泳ぐ姿は天使のよう...(と思うのは私だけ?)

ここの研究室には、マリモにミジンコといやし系が多いです。

(*マリモの記事はこちらから:「日本新産種のマリモ」

これらのゆるカワな生物について、書き手の愛情をたっぷり込めて紹介する連載があったら面白いかと思い、この記事を書いています。続かないかもしれませんので、気楽に読んでくださいね。


さて、気合の入る初回は「ミジンコの子ども」について取り上げてみます。

突然ですが、クイズです。
ミジンコはどのようなしくみで、子どもを産むでしょう?

からだのつくり

ミジンコにはオスとメスがありますが、環境が良いときは、メスのみで子どもをやします。

このときに産まれてくる子の性別は、すべてメスです。このしくみを、難しい言葉で「雌性しせい単為たんい生殖せいしょく」といいます。

簡単に言えば、メスが多ければ多いほど、子どもがたくさん生まれるのです。母親の体1つで効率よく子孫を増やせることは、とても大きなメリットです。

しかし、子の性質(遺伝情報)が単一なので、環境の変化に弱いというデメリットもあります。

そこで、ミジンコの仲間では、環境が悪くなるとオスの子どもが産まれるようになります。

ミジンコ生殖環

オスが成長してメスと出会うと、特殊な卵が作られます。この卵は"耐久たいきゅう卵"といわれ、環境が良くなるまで、卵のまま水底でじっと待っていることができます。 ミジンコは、環境に合わせて生殖システムを柔軟にチェンジできるすごいヤツなのです!

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