研究室だより

2023年4月

標本庫のしん対策

2011年3月11日、最大震度7を記録する東日本大震災が起きました。

茨城県つくば市にある、国立科学博物館(かはく)の微細藻類研究室でもたいへんな被害がありました。実験室の棚は倒れ、中にあった資料やファイルなどが落ちてしまったり壊れたりしました。

幸いにも微細藻類の標本は地震対策がされていたため、被害がありませんでした。

標本庫内のようす
標本庫内のようす。標本類は無事でしたが、資料やノートなどが散乱しました。

資料を入れていた棚(上の写真)は、きちんと固定していなかったため、この様な状態になりました。きちんとした固定が重要なことを示しています。

実験室のようす
実験室のようす

微細藻類研究室の標本庫には、世界でもたいへん貴重でいろいろなかたちの標本が数多く収められているため、標本庫にも地震への対策がされています。

標本たんにはロックがついていて、揺れで開かないようになっています。
また、各棚の上には1枚の板が渡されていて、棚が手前に倒れたりずれないように固定されています。

標本たんす

ロックを開けると標本をしまう引き出しや棚があります。

スライドガラスの標本を収納している棚にはこぼれ留めがあります。

標本収納棚
標本収納棚

ホルマリン漬けの標本(えきしん)をしまっている引き出しは、振動で飛び出ないように両端に木の棒がはめられています。

標本引き出し
標本引き出し
木の棒をはずすと引き出しが開く

地震で失われないように、これらの対策によって貴重な標本が守られています。

こちらもご覧ください:(動画)微細藻類標本庫へようこそ


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