上野公園は“建築博物館”

久保田 稔男(くぼた としお)
産業技術史資料情報センター
科学技術史グループ
上野公園は、江戸時代をはじめとし、明治・大正・昭和、そして平成の現代にいたる、その時々を代表するような名建築が、集中して存在する特別な場所です。それらの建築を時代順に紹介することで、日本の近代建築史を、実物を目の前にしながら語ることができます。
旧帝国図書館(1906 現・国際子ども図書館)
動力機械館(絵葉書)『平和記念東京博覧会原色写真版』(1922)
旧東京帝室博物館本館(1937 現・東京国立博物館本館)
国立西洋美術館(1959)「文豪を教えた建築家」、「日本に近代建築をもたらしたお雇い外国人」、「日本人建築家第一号」、「アイドルをめとった建築家」、「建築家師弟・親子の競作」、「設計競技に敗れた建築家の復活」等々、機会があるごとに、上野公園の建物の魅力をガイドツアーで紹介しています。
研究者に 聞いてみました!

1)専門は何ですか?
近代建築史です。
2)研究者になろうと思ったきっかけは?
「建築探偵団」を名乗り活躍している、スター研究者にあこがれ、あんなふうになり たいと思いました。そのうちの一人が当館職員であった故・清水慶一先生でした。
3)最近の研究活動で、最も興味深かった出 来事は何ですか?
富岡製糸場が世界遺産に登録されたことです。学生時代に故・清水先生にご指導いただき、初めて関わった近代建築が富岡製糸場でした。
4)研究者になりたい方に一言アドバイスを!
勉強することはもちろんですが、人の縁を大切にし、良き師と巡り合えるよう、仲間内や学校内だけでなく「外」にも目を向け、 一歩踏み出してください。