海底に「ミステリーサークル」を作るフグ

動物
Keichi Matsuura

松浦 啓一(まつうら けいいち)
動物研究部
名誉研究員


フグの特徴

フグの仲間はフグ科に分類されています。フグの仲間は鳥のくちばしのような大きな歯をもつことや臀 ( しり ) 鰭 ( びれ ) がないことで他の魚たちから区別できます。また、フグは胃に水や空気を吸い込んで腹を膨らませることができます。フグ科には約150種が含まれ、全世界の熱帯と温帯の海や川にすんでいます。

海底に「ミステリーサークル」を作るフグ

奄美大島の水深25 m の海底で不思議な模様が発見されました。自転車の車輪のようなこの模様は直径2mもあります。まるで海底の「ミステリーサークル」です。 実はこの模様はシッポウフグ属の新種の雄が作ったものでした。標本は採集できていないのですが、体の形や色彩パターンによって、シッポウフグ属の他の種から区別できます。今後、標本を採集して詳しく調査をしてから、新種論文を発表する予定です。

シッポウフグ属の新種と産卵床
シッポウフグ属の新種
深海のミステリーサークル
ダイバーと産卵床
有毒フグの分類と毒性の研究

多くのフグは内蔵に毒をもっています。これまで南シナ海などにすむ熱帯性のフグ類の研究は遅れていました。そこで、熱帯に生息するフグ類の分類と毒性の研究を進めています。研究は進行中ですが、これまで熱帯の海から知られていたドクサバフグ(筋肉に強毒をもつ)が四国や九州南部にも出現することが分かりました。また、日本から南シナ海まで広く分布しているフグ類では、海域によって毒の強さに大きな違いがあることも分かってきました。

ドクサバフグとシロサバフグ

研究員に聞いてみました!

松浦博士
1)専門は何ですか?

魚類分類学が専門です。特に、フグの仲間たちやサンゴ礁性魚類について研究しています。

2)研究者になろうと思ったきっかけは何ですか?

なぜ、魚類の研究者になったのかと質問されると、はっきり答えることはできません。 でも、夏の日に房総半島のタイドプールで採集した魚の美しさは今でも覚えています。 「魚の美しさに魅せられた」のかもしれません。

3)最近の研究活動で、最も興味深かった出来事は何ですか?

シッポウフグ属の新種が直径 2m もある不思議な形をした産卵床を海底に作っていることが分 かりました。このように複雑な形をした産卵床を作る魚は知られていません。このフグについて 詳しく研究する予定です。

4)研究者になりたい方に一言アドバイスを !

しっかり勉強すること。特に英語は大事です。「好きだから」というだけでは研究者になれません。