トンボの進化と多様性

清 拓哉
(きよし たくや)
動物研究部長
陸生無脊椎動物研究グループ
日本のトンボはどこからきた?
日本列島は約2000万年ほど前から形成された比較的新しい島々です。恐竜の絶滅時期よりもずっと新しいのですが、 この地域の島々には大陸にはいない固有種のトンボが沢山分布しています。このトンボ達はどのように進化してきたのでしょうか。DNAの塩基配列情報を用いて調べています。

海外でのフィールド調査
トンボは約 6000種が知られていますが、まだまだ未記載種がたくさんいるようです。
これまでにボルネオ、ベトナム、韓国、台湾、ラオスなどといったアジア地域でフィールド調査を行ってきました。その結果約10種の未記載種を発見し、それらを新種記載するための準備を進めています。
新種を記載するためには、近縁な種の標本と比較したり、形態をよく観察して記述する必要があります。時には海外の博物館へ標本を見せてもらいにいくこともあります。
新種記載には交尾器などの形態情報が欠かせない!
ラオス産サラサヤンマ属の未記載種(Sarasaeschna sp.)