小笠原でカニを採る

小松 浩典(こまつ ひろのり)
動物研究部
海生無脊椎動物研究グループ
小笠原諸島は東京から南に約1000kmに位置し、今まで他の大陸と一度も つながったことのない、孤立した海洋島です。そこにはどのような生き物がいて、 どこからやって来たのか。それを知るために科博では東京都小笠原水産 センターの協力を得て、海洋生物相調査を行いました。ここではその研究 成果をご紹介します。

コモンイソカイカムリとオガサワラモガニは姉妹種(最も近い種)が日本本土に分布し、またコウヨウエバリアは同種が奄美大島からも知られます。このことから、いずれも黒潮とその支流にのって分布を広げ、種分化してきたものと考えられます。




研究員に聞いてみました!

1)専門は何ですか?
甲殻類の分類学が専門で、特にコブシガニなど小さなカニが大好きです。
2)研究者になろうと思ったきっかけは何ですか?
子どものころから生き物が好きで、虫やザリガニをよくとっていました。学部は化学科に進みましたが、どうしても生物を研究したくなり大学院から進路を変えました。
3)最近の研究活動で、最も興味深かった出来事は何ですか?
普段は非常に穏やかで紳士的なとある研究者が、自然保護のために熱く戦っている姿を目の当たりにしたことです。
4)研究者になりたい方に一言アドバイスを!
信念をもって物事に取り組みましょう。でも、独りよがりではいけません。客観性も大事です。