魚の“第六感” 側線の研究

中江 雅典(なかえ まさのり)
動物研究部
脊椎動物研究グループ
側線とは
魚類や水棲の両生類には、水流を感知する「側線」と呼ばれる感覚器官があり ます。これは、我々がもつ五感(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)とは異なる、第 六番目の感覚となります。
側線の役割
側線はエサを探したり、天敵から逃げたり、群れを作ったりするときに非常に 重要な役割を果たします。視覚を退化させている魚がいますが、側線をもたない魚はいません。それほど 重要な器官なのです。
謎
側線については、まだ不明な点が多数あります。私は基礎データを幅広く集めることによって、側線の進化の謎に少しでも近づきたいと考えています。

研究員に聞いてみました!

1)専門は何ですか?
形態に基づく魚類の系統分類学や形態学そのものです。解剖などをして、魚類の進化について考えています。
2)研究者になろうと思ったきっかけは何ですか?
漠然と夢みていた芸術家を21歳の頃に諦め、研究者になることを決意しました。遺伝子研究にも興味があっ たのですが、琵琶湖の近くで育ったことも影響し、魚類学者になりました。
3)最近の研究活動で、最も興味深かった出来事は何ですか?
ある魚について研究を始めたところ、事前の予想とは随分と異なる結果が得られました。やはり生物は面白 いですね。
4)研究者になりたい方に一言アドバイスを !
才能に応じた努力をしましょう。私には才能がなかったので、時間と労力をかなり注ぎ込みました