和食の多様な食材は、南北に長く、海、山、里と表情豊かな日本列島の自然によってもたらされています。生命を育む水、風土と関わりの深いキノコや山菜、多種多様な魚、貝、甲殻類、海藻。そして、さまざまな人々の手で持ち込まれた野菜や穀類。本展では、これらの食材について、自然史実物標本や模型、映像展示を活用して、科学的な切り口で紹介します。

和食は古来、外来の食文化を柔軟に受容しながら発展し、今なお変化を続けています。その歴史的変遷を、明治時代以降に広まった日本独自の洋食などにも着目しつつ、料理の再現模型や史資料を通じて紹介します。あわせて、人々の知恵や工夫が生んだ、日本古来のバイオテクノロジーの成果とも言える発酵食品についても解説します。