有人潜水船「しんかい6500」について、もっと詳しくなりませんか?
「しんかい6500」に乗船して調査をするときの準備や様子を、映像や写真でより詳しく紹介します。
下の文章をクリックすると「しんかい6500」のより詳しい情報が出てきます。
しんかい6500で潜っているときは、船内でどんな仕事をしているの?
乗船できるのは3名です。通常はパイロットが3名と研究者が1名ですが、潜航内容によってはパイロット1名と研究者2名の場合もあります。
パイロットは船体を操縦するだけでなく、海底で観測をする際にはマニピュレータを操作して試料を採集するなど、様々な作業を行います。研究者は覗き窓から海底を観察しながらカメラの操作を行い、研究に必要な観測作業をパイロットに指示します。
水深6,500mに潜った場合、海底に滞在できるのは、1回の潜航でわずか3時間程度しかありません。パイロットと研究者は、限られた時間のなかで効率よく調査できるように協力して潜航します。
「しんかい6500」内の様子(タイムラプス)。船内には様々な機器類が隙間なく取り付けられている。狭い船内に横たわって観察や作業を行う。【動画:1分】
(撮影:国立科学博物館 地学研究部 谷健一郎研究主幹)
食事はどうしているの?
もちろん「しんかい6500」のなかで料理はできませんので、事前に母船「よこすか」でコックさんが作ってくれたお弁当を船内で食べます。サンドイッチとおにぎりが選べます。飲み物も緑茶・紅茶・コーヒーが選べて、それを1人ずつの水筒に入れてもらったものを飲みます。海底で観測しているときは忙しいので、たいていは海底を離れて浮上する間に食べます。緊張する海底調査が終わったあとに、ホッとしながら潜水船内で食べるお弁当は格別です。
それ以外に「しんかい6500」のなかは乾燥しているので、もちこんだアメやグミを食べることもあります。
サンドイッチ弁当(この日の中身はハム・卵・キュウリとジャム)
(提供:産業技術研究所 針金由美子主任研究員)
トイレはどうしているの?
もちろんトイレはありません。人にもよりますが、多くの潜航者は前日からなるべく水分を摂らないようにして、潜航当日も直前にトイレを済ませてから乗船するようにしています。でも潜航中は興奮していて、トイレのことを忘れてしまうことも多いです。
どうしても我慢できなくなったときには、市販の携帯用トイレが積んであります。また最近では大人用のオムツをする人も増えてきました。
オムツは「深海パンツ」と呼ばれている
(提供:産業技術研究所 針金由美子主任研究員)
しんかい6500で潜るときには特別な準備が必要なの?
潜航中の「しんかい6500」の船内は陸上とほとんど変わらない環境で過ごせるようになっているので、潜航するのに特別な準備は必要ありません。でも船内にはヒーターなどの暖房器具はないので、潜航中は周りの冷たい海水によって徐々に寒くなってきます。快適に過ごすために、不燃性の特殊な素材でできた暖かい潜航服や潜航ソックスを着用して調査をします。
浮上した後、母船「よこすか」に回収してもらうまで揺れることが多いので、船酔いしやすい人は酔い止めの薬を飲むことがあります。
浮上後に母船「よこすか」に回収される「しんかい6500」。吊り上げる時に揺れることが多い。【動画:1分37秒】
(撮影:国立科学博物館 地学研究部 谷健一郎研究主幹)
潜水船って安全なの?
「しんかい6500」は潜航中に万が一トラブルが発生しても必ず浮上できるように設計されており、とても安全な乗り物です。でも一番怖いのは火災です。狭い船内では火災によって発生する有毒ガスがすぐに充満してしまいます。火災を予防するために、船内は可燃性のものは持ち込みが禁止されています。油が含まれている化粧品や静電気を発生する可能性があるフリースなどの服もダメです。万が一の火災に備えて、船内には緊急用のマスク型呼吸具も備え付けられています。
また海底で岩に挟まったり、海底に落ちているロープや漁網に絡まったりして動けなくなる事態を防ぐために、常に周囲の安全を確認しながら移動します。
緊急用のマスク型呼吸具
(提供:産業技術研究所 針金由美子主任研究員)